コラム:スマホMMORPGはどうしたら成功するだろう?
「リネージュ2」からの「リネレボ」のように、スマホをプラットフォームとしたMMORPGリリースが続いています。果たしてスマートフォンでのMMORPG運営は上手く軌道に乗るのか?PCやCS機のMMORPGとくらべて、どのようなメリット、デメリットがあるのか?などなどを考察してみました。
Contents
なぜ「スマホでMMO」なのか?
ここ数年でスマホのMMORPGが一気に増えている背景はなんでしょうか。おっさんとしては主に以下の点があると思います。
- スマートフォンアプリの利用シェアの高さ
- スマートフォンのスペックが「MMO」に追いついてきた
- チート対策など、MMORPG業界がやってきたノウハウが活かせる
- 既存IPの知名度を活かせる
スマートフォンの普及率
まず、今はどう考えても「スマホゲームの時代」です。誰もがスマートフォンを持っていますし、学校や職場の休憩時間にちょっと遊んだりできる手軽さがあります。また、MMORPGが以前から採っている「基本無料」のシステムもまた、スマホアプリでのスタンダードとなっています。スマホMMOでも親和性が高いと言えるでしょう。
スマートフォンのスペックが「MMO」に追いついてきた
ゲームで3D空間を表現できるレベルまでに、スマートフォンのスペックが上がってきたことも事実です。MMORPGと言っても差し支えないレベルのキャラクターを画面上で動かすことが可能となってきました。
チート対策など、MMORPG業界がやってきたノウハウが活かせる
初期のスマホゲームはチート対策がほとんど行われておらず、チーターに色々と好き勝手されてしまいました。しかし最近はデータの暗号化、エミュレーター対策、ROOT対策などもしっかりと行われ、そう簡単にチートが出来ないようになっているものが多いでしょう。
既存IPの知名度を活かせる
ラグナロクオンライン、リネージュ、AION、黒い砂漠…MMORPGファンならばプレイしたことがあるタイトルには、それだけで知名度があります。「あのMMORPGがスマホでできる!」という期待感を持たせることが出来ます。システムは別としても世界観の共有などができるのは有名IPのメリットです。
スマホMMORPGの問題点
ここまで挙げたメリットに対して、懸念されるポイントもあります。
スマホアプリは飽きられやすい
そもそもスマートフォンに多くのゲームメーカーが参入している中で、利用者の多くは1タイトルの消費サイクル(=見切り)が非常に早いのが現状です。
おっさんは4000人近くTwitterアカウントをフォローしています。TLを見る限り、新作スマホゲーの有名タイトルに多くの人が一斉に流れるのも見える反面、リリース後1ヶ月くらいで離脱する人が多いように見えます。
MMORPGのように「ある程度遊んでいくと面白くなってくる」という大器晩成型ゲームは、その魅力が早期に感じられないとすぐに離脱されてしまうでしょう。
スマホプレイの環境と相性
最初のうちは「スマホでMMORPGができるってすごい!」と思うわけです。しかしながら、コミュニケーションが取りづらかったり、操作形態なども既に似たり寄ったりになっていて、今ひとつ快適性や新奇性に苦しい感じがします。
また、スマホという端末固有の問題もあります。スマホに対してかかる物理的負荷(消費電力&発熱)が高すぎて、スマホの寿命が縮まらないか心配になったことはないでしょうか。そもそもMMORPGは「長時間やってナンボ」的なところがあるので、限られた電力の中でちょこちょこ遊ぶタイプのMMORPGは、PCでやってきたシステムそのままでは受け入れが難しいでしょう。
これらの点ではまだまだ、スマホでMMOのようなゲームは実用レベルには至っていないと個人的には思います。
ライトゲーマーはそもそも選ばない
「リネレボ」が出た時、おっさんは妹に感想を聞いてみました。
お「スマホでこんな感じでMMORPGができるんだよ、すごいよね」
妹「すごいけど…これスマホ熱くなりすぎ」
お「ゲーム的にはこんな感じで半オートで進められるんだよ」
妹「へぇ~、画面もきれいだけど、長時間やらないといけないんでしょ?」
お「そうだね」
妹「これスマホじゃなくて、PCでいいよね」
お「…そうだね」
そう、ライトゲーマーはスマホで仕事の休憩時間以上かかるクエストとかやりたくないし、そもそも熱くて持てなくなるほどの発熱は論外だし、ゲームしながら他の人と打ちづらいテキストチャットや知らない人との通話なんてしたくないんですよ。
これが今、スマホMMORPGが解消すべき問題だと思いますね。
スマホMMORPGの目指す道
このように問題点も山積している「スマホMMO」は、何よりもスマホという環境で快適に遊べることに主眼を置くべきだと思っています。
MMOを実現したいのもわかるのですが、スマホに合わせ、従来のMMOからある程度自由度を制限する必要もあるでしょう。
1.スマホに見合った程度のグラフィックリソースに抑える
「PC並のグラフィックス」はまだ時期尚早。スマホへ負荷をかけすぎないリソース量で十分です。広さもそこまで要らないでしょう。
2.短時間で楽しめるコンテンツを充実する
インゲーム放置などは論外。5分~10分くらいでサクッとワンゲームが完了すること。
この点では、スマホゲーでよくある「スタミナ制」を取り入れたり、ゲームを立ち上げてない時間にも一定の作業をさせることが出来るような仕組みを設けるなどすると良いと思います。
3.新しいコミュニケーション方法を確立する
スマホで自由なコミュニケーションは無理。PCのそれをそのまま持ってくるだけじゃダメ。
テキストチャット、ボイスチャットなどに頼らずとも、それでもそれなりに伝わるゲーム内コミュニケーション手段を確立する必用があると思います。テキストはスマホじゃ打ちにくいですし、かといってボイスチャットはどこでも、誰とでも気軽にできるものではないと思います。
エモーション、LINEのようなスタンプ機能など、直感的で即発できるコミュニケーションUIを開発してください。
4.テクニカルすぎない
半オート操作などを上手く取り入れる。
スマホの通信環境や、操作性などの問題があるため、リアルタイムでのコントロールが重要であるゲームは厳しいでしょう。例えば、PTプレイをしていて味方が切断されたら、AIが自動的に代役を務めるなどの補助は必要です。
5.プレイヤーの個性の確立
MMORPGではチャットなどをしなければ、プレイヤーの個性は埋没しがち。アバターなどを拡充してカスタマイズ性を上げるなどして、プレイヤーのアイデンティティを補強する必用があるでしょう。強さに直接比例しないアバターなどでの集金に力を入れるのは、P2Wなどの文句が出にくいと思います。
まとめ
色々と考えてみましたけど、既存のMMORPGスタイルとスマホは現状では相性が良くないと思います。
とりあえず今までやった中では「リネレボ」のスタイルはベースとして良いのかなと思います。後はさらにスマホプレイ向けに最適化されれば「スマホMMORPG」の新しい概念が出来ていくかもしれませんね。
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