NVIDIAがゲームNPCキャラを変えていく~inZOIのSmart Zoiの例~
NVIDIAは今後のゲームのAIキャラクターの活動をよりリアルに、根本的に変えていくはずだ。
NVIDIAが投稿したNVIDIA ACE | inZOI - Create Simulated Cities with Co-Playable CharactersのYouTube動画から、その可能性を感じられる。
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NVIDIA ACE × inZOI: 新しいNPCの形を体験
KRAFTONは次世代のライフシミュレーションゲーム「inZOI」を開発中だ。EAの「Sims」シリーズの模倣では?とも言われ、私も正直そうだろうと思っている。
だが今回、NVIDIAとの共同開発により、「Smart ZOI」という画期的なキャラクターが誕生したことが発表された。このキャラクターは、NVIDIAのAIプラットフォーム「ACE」を活用し、従来のノンプレイアブルキャラクター(NPC)を進化させた「共演キャラクター」であり、AIによってゲームのNPCがどのように進化していくかのわかりやすい例となっている。
Smart Zoiの思いやりのある行動の例
Smart Zoiは、従来のNPCとは一線を画す存在だ。ただの背景キャラクターではなく、プレイヤーと協力して物語を紡ぐ役割を担うほどの生々しさを持っている。
ZoiがAIの力を借りて、状況に応じた思いやりや個性を持つ行動を取る例を見てみよう。
空腹な男性を助ける
道端に空腹で倒れそうな男性がいるのを見かけた「Smart Zoi」キャラクター。その後どうするのか?
地元のベーカリーでサンドイッチを購入し、彼に渡してあげるのだ。
道に迷った女性を案内
道に迷った女性に出会うと、落ち着いて目的地まで案内する。
ストリートパフォーマーを応援
通りでパフォーマンスをしている人に感激し、観客を引き寄せるために積極的に応援する。
日々進化するAIキャラクター
これらの行動が示すように、Smart Zoiは人間のような社会的感覚を持って自発的にアクションを起こし、プレイヤーの物語を補完する存在となるようだ。
では、こういったアクションは何を源泉として発生しているのだろうか?
彼らの個々の経験と学習である。
Smart Zoiは日々の経験を分析し、その学びを次の日の行動に反映させる。
この「学習と進化」の仕組みにより、個々のSmart Zoiキャラクターはプレイヤーとともに成長し、より個性的でパーソナライズされた存在になっていくという。
Smart Zoiがどんな経験や判断をしているのかは、「思考システム」を通じてプレイヤーが知ることができる。
たとえば、先の親切なアクションの例で言えば「彼がお腹が減っていて食べ物を必要としているから」「道に迷って困っていることに共感したから」「外で勇気を出して演奏する姿に感動して応援したくなったから」といった理由が表示される。
新しい「人生シミュレーション」のカタチ
過大な期待をしないようにちょっと釘を差しておくと、Smart Zoiの中核となるNVIDIA ACEが内包するのはあくまでも小型の言語AIのようだ。inZOIについても、大規模言語AIのChatGPTやGeminiを相手にするような、NPCと自然言語で自由な会話ができるようなゲーム性にはならないだろう。Smart Zoi自身が実行できるアクション自体も、あらかじめゲームとして用意された中の「何か」をチョイスするに過ぎないと考えられる。その程度にしないとAIのランニングコストや依存度が高くなりすぎるからだ。
とはいえ、これは"本物のAI"が集まる、本格的な疑似ソーシャルゲーム時代の幕開けを意味していると思う。AIが介入することでゲームの「不確定性」は飛躍的に高まり、プレイするたびに違う出来事が起きると考えられるからだ。
街のあちこちで、異なるパーソナリティを持ったZoiたちによる予測不可能な出会いが生まれ、成り行きによっては衝突も起きるだろう。その上で、各Smart Zoiの個別の経験とパーソナリティは、彼らの日々の生活の中で積み重ねた上で培ったものになる。それが、プレイヤーの心を揺さぶる可能性もあると思う。
inZOIは2025年3月28日に早期アクセスがリリース予定で、日本語もサポートされる。個人的に2025年期待のタイトルだ。
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