RTX 3080 vs RTX 3070。ベンチマークやゲームで実際に使い比べてみての感想
2021/12/09
RTX 3080とRTX 3070は実際どれくらい違うのか?というお話を、サンプリングしたデータをベースに個人的な感想を交えつつ語ります。
「RTX 3070を買う予定だけど、RTX 3080が良かったらそっちにしようかな」といった方にちょっと見て行って欲しい。
※2021/12/9 後継機種の紹介を追加
Contents
RTX 3080 vs RTX 3070で利用したマシン
今回はドスパラのラインナップの中でも中級クラスとなる「Xシリーズ」の2台を用いて比較します。
CPUはどちらも8コア16スレッドのi7-10700となっており、グラボがRTX 3070かRTX 3080か、という違いになっています。
テスト時の構成
PC | GALLERIA XA7C-R38 | GALLERIA XA7C-R37 |
OS | Windows 10 Home 64ビット | |
CPU | インテル Core i7-10700 (2.90GHz-4.80GHz/8コア/16スレッド) |
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グラフィック | NVIDIA GeForce RTX 3080 10GB GDDR6X (HDMI x1,DisplayPort x3/LEDライティング機能搭載) |
NVIDIA GeForce RTX 3070 8GB GDDR6X (HDMI x1,DisplayPort x3/LEDライティング機能搭載) |
電源 | 750W 静音電源 (80PLUS GOLD) |
650W 静音電源 (80PLUS BRONZE) |
メモリ | 16GB DDR4 SDRAM (PC4-21300/8GBx2/2チャネル) |
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SSD | 512GB NVMe SSD | |
マザーボード | インテル H470 チップセット ATXマザーボード (PCI-Ex16/x 4 x2, PCI-Ex1 x4 / メモリスロット x4 (最大 128GB) / SATA3 x6 / M.2 x3(Key E×1)) ※M.2_2 ソケットとSATA6G_2 ポートは排他利用となり、同時に使用はできません。 |
ドスパラよりお借りした時点でのスペックであり、販売時の構成とは異なることがあります。
ベンチマークほど差が感じられるかはシチュエーションによる
RTX 3090 |
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RTX 3080 |
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RTX 3070 |
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RTX 3060 Ti |
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GTX 1660 SUPER |
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Tom's Hardwareによるグラボの性能差ランキングからの引用です。
RTX 3080とRTX 3070は結構性能差があります。
しかし、主に3つの理由でグラボの性能差を体感できない場合があると思います。
1つはゲームの処理が多くてCPUがボトルネックになる場合。CPUが限界でグラボが活かしきれずに、実際にフレームレートに変化が起きない場合です。
2つめはモニタのリフレッシュレート上限にfpsが到達した時。例えば60Hzのモニタを使っていて、グラボによって80fpsと100fpsの違いがある場合、結局60fpsまでしか表示できないので、表示上の違いは感じられません。
4Kでは60Hzくらいのモニタを使っている人が多いと思いますが、そのモニタで80fps出ても100fps出ても、見え方に違いはないと言うことです。
3つめは、人間が知覚しづらい高フレームレート領域に入る場合です。
例えば40fpsと60fpsは大きな違いがありますが、120fpsと140fpsになるとそこまで違いを感じられない人も多いと思います。
個人差が大きい部分ですが、フレームレートが高くなるほど、10~20fpsの違いは感じづらくなってきます。
以上のことから、利用するモニタやプレイするゲームジャンルとのバランスも考えてグラボをチョイスするのが一番無駄がないと言えます。
ここから先は各ゲームやゲーム付属のベンチマークでテストした平均フレームレートを紹介していきます。
APEX LEGENDS
APEX LEGENDSでトレーニングモードを普通にこなした場合の平均fpsです。画質は最高設定です。
トレーニングモードなので描画負荷は低く、フレームレートは高めですが、「ベースとしての性能がこれくらい」ということでご覧ください。
いずれの解像度でも30fps以上の差がついてきます。APEXは300fps上限のゲームですが、RTX 3080では低負荷状態ならほぼ上限に達することが出来ます。
フルHDならRTX 3070で十分だと思います。RTX 3080になるとWQHDモニタが実用域になる印象です。フルHDよりも高精細なので、遠くの敵なども明確に表示されます。
Division2 ベンチマーク
2021年としては「やや重い」くらいの位置づけとなるオープンワールドシューター「Division2」のベンチマークです。
フルHDで15fps、WQHDで28fps、4Kで18fpsの差がついています。
どのレンジでも15fps以上の差がつきましたが、フレームレートの差が特に大きく感じられるのは低fps時です。
プレイの体感で最も差が感じられるのは4K解像度でしょう。
シューターとしては"ゆるめ"のゲームなので、60fpsくらいでもPvEは全然遊べちゃいます。RTX 3080で4K画質を楽しみながら遊ぶのもアリですね。
スコープなしで遠くの豆粒のような敵を狙うことも少なくないゲームですが、4Kだと遠い敵がめっちゃよく見えるので遠い敵が当てやすいです。
Final Fantasy XIV(FF14)
FF14の漆黒のヴィジランスベンチマークの結果です。
RTX 3070で平均83fps、RTX 3080で平均101fpsです。このくらいの重さなら4Kでのゲームプレイも、RTX 3070で可能でしょう。
FF14はグループポーズ(gpose)を使ったスクリーンショット(SS)撮影が流行っています。
高画質化するためにGshadeなどの外部ポストエフェクトシェーダーを利用する場合、解像度が高いほどガクっとフレームレートが落ちます。
とはいえ、4KでGshadeを使ったグルポを撮るくらいだとRTX 3070でも十分です。
もし、4Kでダンスなどのムービーを高画質に撮りたい方は、RTX 3080の方が滑らかな動画を撮れると思います。
Assetto Corsa
首都高MODなどが人気なAssetto Corsaのベンチマークです。思ったより差がついていないですね。CPUの限界によって伸びていないようです。
RTX3070とRTX3080では、4Kにおいての余裕の違いがあります。ただ、よほどゴリゴリにグラフィックMODを入れない限りは、RTX 3070でも必要十分ではないかと思っています。SOLなどのポストプロセスやCSPを入れるくらいではそんなに落ちないですしね。
レースゲームにおいては60Hzモニタでは全然足りなくて、個人的には100fps以上出るとヌルヌル感が全く変わってくるように感じます。
ブレーキングポイントなどの見定めもしやすくなり、操作遅延も減ってくるので、なるべく高いフレームレートでのプレイがオススメです。
そうなると、RTX 3070/RTX 3080どちらの場合でも、WQHDくらいまでがオススメのモニタ解像度となるでしょう。ただし、4Kになると実写かな?と思えるようなシーンも増えるので、4Kモニタも選択肢になるでしょう。
黒い砂漠
黒い砂漠はリマスターモードでセレンディア神殿を1周するテストです。屋外よりフレームレートは高めに出ますが、精度重視のためこのやり方を続けています。また、マシン性能をフルに引き出すためにHTTをオフにしてテストしています。
黒い砂漠は戦闘スキルを出すとガクっとフレームレートが落ちるタイトルです。平均200fps出ていようが300fps出ていようが、100fps以下に一瞬落ちます。このため、フレームレートを出せば出すほど最低fpsとの差を感じることになります。
リマスターモードくらいの負荷でフルHD~WQHDでプレイする場合、144HzモニタではRTX 3070 /RTX 3080共にそこまでプレイフィールの差は感じられません。
4KになるとRTX 3070では戦闘で60fpsを割り込むシーンが増えてきます。RTX 3080でも60fps堅持は無理ですが、4Kの戦闘ムービーなどを撮るくらいの余裕があり、日常で使っても良いと思えるレベルです。60fps付近での平均17fpsの差は体感的にも大きいです。
モンスターハンターワールド:アイスボーン
「モンスターハンターワールド:アイスボーン」での、DX12の最高画質設定にし、更にハイレゾテクスチャパックを追加した状態でテストしました。
グラボ処理負荷が増大するセッティングで、4K解像度においては露骨にフレームレートが落ちます。
RTX 3080では60fpsに迫りますが、RTX 3070では40fps台。この違いはプレイフィールとしても全く異なるものです。
60fpsを割り込んだ場合は、モニタの構造上、瞬間的に30fpsの表示になってしまいます。
もちろんRTX 3070でもDLSSのアップスケールを利用したり、設定を落とせば4Kで60fpsを出すことは可能です。
DLSSで画質を落とさずにTRUE 4Kを味わいたい場合は、RTX 3080がおすすめです。
Battlefield V
レイトレ初期のFPSです。
レイトレをオンにした場合の最高設定で、シングルプレイの大戦の書「ティライユール」>「平等」序盤のfpsを測定しています。
一回りずつRTX 3080の方が上、と言う感じですね。4Kにおける44fpsと59fpsの差は体感でも大きいですが、WQHD以下のプレイフィールは特に変わらない感じです。
ウォッチドッグスレギオン
レイトレ最新世代の作品。2020年発売のゲームとして最重量級のウォッチドッグスレギオンです。
4Kなどの高解像度向けのHD Textures Packを使うと特に重くなります。RTX 3070でもRTX 3080でも重いので、HD Texture PackのDLCは外してプレイするのが良いです。
とりあえずテストとしてHD Textures Packを使った場合の平均フレームレートを紹介していきます。
最大設定、DLSSなし、レイトレなし、HD Textures Pack
レイトレなしの状態では、フルHDならばRTX 3070 / RTX 3080ともに遜色ない結果となり、CPUのボトルネックが予想されます。
WQHD以上の解像度になるとグラボ性能での差がついてきます。
最大設定、DLSSなし、レイトレ最大、HD Textures Pack
レイトレをオンにした状態で、DLSSなしという設定。フルHDでRTX 3080の方が30fps近く速いという差がついています。
4KはRTX 3080でも実用としては厳しい感じ。
まとめ
RTX 3070はWQHDまではもちろん、設定次第で4Kもイケる
RTX 3070のプレイフィールは、前世代ハイエンドのRTX 2080 Tiに近いですね。
WQHD以下でもRTX 3070とRTX 3080で10fps~20fpsくらいの差は出る場合が多いです。高fpsほどわかりにくくなるので、FF14やDivision2、Assetto Corsaのような軽めのゲームだと、RTX 3080にしたところで特に違いが判らないでしょう。
設定を調整すればRTX 3070でも最新タイトルが4Kで動きます。設定を1~2段階落とすことになるので画質はやや劣ります。
RTX 3080は最新の重いゲームや4Kでより美しい画面を楽しめる
ウォッチドッグスレギオンやサイバーパンク2077など、グラフィック的に超重いゲームをなるべく高画質でプレイしたい場合は、RTX 3080の方が設定を上げられて快適です。
VRAM面では、RTX 3070の8GBに比べてRTX 3080は10GBと、VRAMが2GB多いので、その分画質を上げることが出来ます。
「画質設定を上げられる」と言うのがポイントで、4Kにおいて何でも最高設定で動くわけではありません。
ウォッチドッグスレギオンやサイバーパンクはフルHDの状態でもRTX 3080で良かったなあ…と思うくらいの重さになります。
こういった最新ゲームをなるべく高画質でプレイしたい方、3Dゲームに芸術性を求める方はRTX 3080以上を選んでおいた方が後悔しないと思います。
黒い砂漠のリマスターなど、画面全体に重めのポストエフェクトをかけるゲームも違いを感じられます。ReShadeを良く使う人や高画質MODで遊ぶ人など、どれだけGPUパワーがあっても足りねえ!という人もおすすめですね。
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