ゲーミングPCが買えない?2026年値上げ・販売停止の実態とまだ買える機種【2025年末】
2025年11月以降、パソコン市場で急激な価格上昇が始まっている。
主要メーカーは2026年1月からの値上げを相次いで予告し、一部では既に販売停止や価格改定が実施されている状況だ。
本記事では、信頼できる情報源に基づいて現状を整理し、購入を検討している方への判断材料を提供する。
Contents
メモリ・SSD価格の急騰
価格推移の実態
PC Watchの調査によれば、2025年4月から12月にかけてのメモリ価格は以下のように推移している。
- DDR5-32GB:約2.8倍に上昇
- DDR4メモリ:従来「安価な選択肢」だったが、11月から12月で1.5倍以上に急騰
- SSD(Samsung 990 PRO等):全容量で価格上昇を確認
AKIBA PC Hotline!の調査によれば、DDR5-16Gbitの平均スポット価格は9月20日の6.84ドルから12月1日には27.2ドルへと、約4倍に跳ね上がっている。
高騰の背景
ジェトロ(日本貿易振興機構)のレポートによれば、背景には以下の要因がある。
AI向けDRAM需要の急増
- SamsungとSK HynixがOpenAIと大量供給契約を締結
- 月間90万枚のDRAMウェハ供給体制を構築(世界生産量の約4割に相当)
- AI向け高帯域メモリ(HBM)需要の増大
メーカーの生産シフト
- SamsungがNAND製造を縮小、DRAM製造に注力すると明言
- Micronが2025年12月3日、民生用「Crucial」ブランドからの撤退を発表
- AI/データセンター向けを優先し、PC向け供給が後回しに
在庫水準の低下
台湾TrendForceによれば、主要DRAMメーカーの在庫水準は2024年末の13~17週間から、2025年10月には2~4週間に減少している。
PC本体価格への波及
国内BTOメーカーの対応状況
マウスコンピューター
- 2025年12月16日:2026年1月以降の値上げを予告
- 12月23日:想定を超える注文により販売停止を発表(1月4日まで)
- 公式X(旧Twitter)で早期購入を呼びかけ
その他国内メーカー
ITmedia NEWSが国内主要メーカーに取材した結果(2025年12月11日公開)
- Dynabook:部材価格高騰により価格改定は避けられない状況と回答
- 富士通クライアントコンピューティング:新製品は価格設定に影響が及ぶ可能性
- VAIO:部材動向と市場環境を見極めて判断
- レノボ・ジャパン:「かつてない速度でコスト上昇」と認識、価格調整を示唆
海外メーカーの動向
TrendForceの報道によれば、海外メーカーも同様の状況だ。
- Dell:COOジェフ・クラーク氏が「かつてない速度でメモリコストが上昇」と発言。12月中旬から15~20%値上げの可能性
- Lenovo:2026年1月1日をもって現在の見積価格を失効とする通達を顧客に送付
- HP:「必要に応じて値上げ」の方針を示し、特に2026年下半期は厳しくなる見込み
値上げ幅の予測
PC Watchが国内13社にアンケート調査を実施(2025年12月26日公開)
- 値上げを実施済み、または予定していると回答:6割以上
- 値上げ率「11~15%」「16~20%」と回答:4割弱
- 「0~5%」「6~10%」の回答はゼロ
この結果から、2026年春までの値上げ率は2桁以上になる可能性が高いと予測される。
供給不足と納期への影響
現在の販売・納期状況
2025年12月29日時点でのオンライン各社の状況
- マウスコンピューター:販売停止中(~1月4日)
- サイコム:受注一時停止(注文増加のため)
- ドスパラ:ノートPC約10日、デスクトップ3週間以上の納期
- ツクモ:一部製品で購入制限を実施
マイナビニュースの取材によれば、マウスコンピューター新宿店は「通常であれば客足が落ち着く時期だが、問い合わせが急増しており予断を許さない」とコメントしている。
今後の見通し
ジェトロの報道によれば、S&Pグローバル・レーティングは以下のように予測している。
- メモリ供給逼迫は2026年まで続く可能性が高い
- 正常化は2027~2028年ごろ
- メモリ価格の高騰はPCやスマートフォン、自動車など幅広い産業に波及
PC Watch取材によるマウスコンピューターのコメント
「2026年からの値上げを見込んで、2025年12月にPC需要が急激に高まっている。この反動が2026年1月以降の需要急激な低下につながり、一定期間継続すると予測している」
値上げ実施後は需要減退により一時的に注文は落ち着く可能性があるが、価格水準自体は高止まりする見通しだ。
購入タイミングの考察
価格差のシミュレーション
仮に15%値上げの場合の価格差
| 現在価格 | 値上げ後予想 | 差額 |
|---|---|---|
| 15万円 | 17.3万円 | 2.3万円 |
| 20万円 | 23万円 | 3万円 |
| 25万円 | 28.8万円 | 3.8万円 |
| 30万円 | 34.5万円 | 4.5万円 |
| 40万円 | 46万円 | 6万円 |
仮に20%値上げの場合の価格差
| 現在価格 | 値上げ後予想 | 差額 |
|---|---|---|
| 20万円 | 24万円 | 4万円 |
| 30万円 | 36万円 | 6万円 |
| 40万円 | 48万円 | 8万円 |
特に大容量メモリ(32GB以上)を搭載するモデルは、メモリ単価の上昇が直接影響するため、値上げ幅がより大きくなる可能性がある。
判断のポイント
値上げ前の注文を検討する価値があるケース
- 2026年3月までにPCが必要
- メモリ32GB以上の構成を検討している
- 予算20万円以上のミドル~ハイエンド構成
- 現在使用中のPCに不具合がある
- 特定のゲームタイトルや作業のリリース時期が決まっている
様子見も選択肢となるケース
- 現在のPCで2026年後半まで問題なく使用可能(=保証期間内)
- 予算15万円以下のエントリーモデル(値上がりしても差額が相対的に小さい)
- PCをそこまで使わない、使用時期が未定
- RTX 60シリーズなど新世代GPU待ち
ただし、S&Pグローバルの予測では正常化は2027~2028年とされており、「しばらく待てば安くなる」という従来のPC市場の法則は、今回はしばらく通用しない可能性が高い。
2025年12月末時点で注文可能なドスパラのPCを紹介
受注停止するBTOショップが多い中、ドスパラではまだ注文を受け付けており、年末年始も出荷作業を行っているそうだ。
- ~2025年12月31日(水) 全製品出荷
- 2026年1月1日(木) PCパーツのみ出荷
- 2026年1月2日(金)~ 全製品出荷
そこで、在庫状況・納期・価格のバランスを考慮し、12/29時点で注文可能なモデルを紹介する。選定基準は以下の通り。
- 在庫状況(注文受付中であること)
- 納期が明示されていること
- 価格とスペックのバランス
ノートPC
デスクトップより納期が短く(約10日)、比較的早期に入手可能。急ぎでPCが必要な方や、モバイル性能を重視する場合の選択肢。
GALLERIA RL7C-R45-5N
日常的なクリエイティブ作業を行いつつ、「空き時間にちょっとゲームをやろうかな?」という人に最適のモデル。

- CPU: Core i7-13620H
- GPU: RTX 4050 6GB Laptop
- メモリ: 16GB DDR5
- SSD: 500GB NVMe
- 画面: 15.6インチ FHD
- 納期: 10日で出荷~
GALLERIA ZL9C-R57T-6A
こちらは「ノートでもガッツリ高画質ゲームを楽しみたい」という人向けのモデル。RTX 5070 Ti Laptopは12GBのVRAMを搭載し、本格的なクリエイティブ用途にも向く。

- CPU: Core Ultra 9 275HX
- GPU: RTX 5070 Ti 12GB Laptop
- メモリ: 32GB DDR5
- SSD: 1TB Gen4 NVMe
- 画面: 16.0インチ WQXGA
- 納期: 10日で出荷
ミドルクラス(20~30万円)RTX 5070搭載
フルHDゲーミングに最適な性能。一般的なゲーマーには十分なスペックで、コストパフォーマンスに優れる。
Lightning-G AF7W Ryzen7 7700搭載
当サイトでもレビューした機種の後継機種。SSDが500GBなので、それを1TB以上にカスタマイズ注文すれば長く使えるだろう。

- CPU: Ryzen 7 7700
- GPU: RTX 5070 12GB
- メモリ: 16GB DDR5
- SSD: 500GB Gen4 NVMe
- 納期: 3週間程度で出荷~
Lightning-G AF7XB Ryzen7 7800X3D搭載
こちらはゲームに強い7800X3Dを搭載したモデル。ガチゲーマーならこれ。SSDはやはり500GBなので増やしたい。

- CPU: Ryzen 7 7800X3D
- GPU: RTX 5070 12GB
- メモリ: 16GB DDR5
- SSD: 500GB Gen4 NVMe
- 納期: 3週間程度で出荷~
ハイエンドクラス(40~60万円)RTX 5070 Ti / 5080搭載
WQHDや4Kゲーミング、クリエイター用途にも対応できる最高峰の性能。値上げ後の差額は5~8万円規模となる。
THIRDWAVE 4CE57T(B850)
かつてraytrek 4Cとして発売されていたシリーズで、現在はビジネス向けのラインとなっている。raytrek 4Cのケースレビューはこちら。

- OS: Windows 11 Pro
- CPU: Ryzen 7 9700X
- GPU: RTX 5070 Ti 16GB
- メモリ: 32GB DDR5
- SSD: 1TB Gen4 NVMe
- 納期: 3週間程度で出荷
GALLERIA CRA7R-R57T 9800X3D搭載 Crazy Raccoon コラボモデル
Crayzy Raccoonとのコラボモデルで、LEDが目立つ特別な外観のケースになっているのが特徴。
ゲームに超強い9800X3Dを搭載しており、性能は折り紙付き。

- CPU: Ryzen 7 9800X3D
- GPU: RTX 5070 Ti 16GB
- メモリ: 32GB DDR5
- SSD: 1TB Gen4 NVMe
- 納期: 3週間程度で出荷
THIRDWAVE 4CE58(B850)
RTX 5080を搭載したTHIRDWAVE 4CE。

- OS: Windows 11 Pro
- CPU: Ryzen 7 9700X
- GPU: RTX 5080 16GB
- メモリ: 32GB DDR5
- SSD: 1TB Gen4 NVMe
- 納期: 3週間程度で出荷
※重要
上記の価格・スペック・在庫状況・納期は2025年12月29日時点の情報です。最新情報は各製品ページでご確認ください。
まとめ
現状の整理
- 価格上昇は確実:主要メーカーが値上げを公式に予告している
- 供給不足は継続:S&Pグローバルによれば2027~2028年まで正常化しない見通し
- 納期は長期化:需要集中により3週間以上が標準化しつつある
- 差額は2~8万円規模:構成により無視できない金額差となる
購入を検討すべきケース
- 2026年前半までにPCが必要な場合
- ミドル~ハイエンド構成(20万円以上)を検討している場合
- 大容量メモリ構成(32GB以上)が必要な場合
- 確実に確保したい場合
様子見も選択肢となるケース
- エントリー構成(15万円以下)で十分な場合
- 使用時期が未定または2026年後半以降の場合
- 現在のPCが快適に動作している場合
- 新世代パーツの登場を待ちたい場合
ただし、業界アナリストの見解では「待てば安くなる」という期待は、今回の市場環境では成立しにくいとされている。PCが必要であれば、価格が上がる前に注文するのが合理的な判断と言えるだろう。
参考資料
- PC Watch「メモリ価格が2.8倍に爆上げ」
- ジェトロ「オープンAI『スターゲート』計画、世界のDRAM需給に波及」
- ITmedia NEWS「メモリ高騰でパソコンは値上げする? メーカー各社に聞いた」
- PC Watch「2026年、PCを値上げする?しない?13社にアンケートを取ってみた」
- マイナビニュース「パソコン高騰へ、メモリとSSDが枯渇」
当サイトのアフィリエイトでも、12月はかなり駆け込みの需要があるのは事実。必要かどうかをよく検討し、必要なら早めの確保がおすすめだ。
なお、ドスパラでは5000円以上の購入およびエントリーで豪華景品が当たる「冬の大感謝祭 第2弾」が2026年1月9日 10:59まで行われている。
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