LGの新型21:9モニタ「34GL750-B」が登場するから気になる点を遠慮なく突いちゃうぞ
2020/03/08
LGが新製品のウルトラワイドモニタ「34GL750-B」を発売します。しかも結構安いんですよね。
「おっさんが使っているモニタと値段が大きく違うのですが、素人目に何が違うのかよくわからない」とお問い合わせを頂いたので、カタログ的に見てわかるポイントを紹介します。
また、34GL750-B以外の21:9ディスプレイの選択肢も2つ提示します。
Contents
LG 34GL750-Bの特徴
LG 34GL750-Bは34インチ、2560x1080(WFHD)解像度のモニタです。このサイズと解像度は個人的に2019年でもおすすめです。
で、その新型。何がスゴイのか?という点から紹介しましょう!
21:9として初の「G-SYNC Comatible」モニタである
「G-SYNC Compatibleモニタってなんぞや?G-SYNCと違うんかい?」
というのが、この表記を見た人の最初の戸惑いでしょう。
G-SYNC=可変リフレッシュレートモニタ
まず、モニタには固定リフレッシュレートと、可変リフレッシュレートのモニタがあります。
可変リフレッシュレートとはPC側のfpsにモニタの表示を同期させる優れた機能で、ティアリング(画面上下の分断)や、スタッタリング(カクつき、ひっかかり)などの画面の乱れを防ぎます。
可変リフレッシュレートモニタには主に2つの技術があります。すごくざっくり説明すると
- G-SYNC (NVIDIA GeForce用。NVIDIAがライセンスを持っていて高い)
- FreeSync (AMD Radeon用。ライセンス不要で安い)
このような違いがあります。G-SYNC対応とFreeSync対応だと3~4万円くらいG-SYNCモニタの方が高いです。
このため、今までは「G-SYNCモニタが欲しいけど高い!」というのがGeForceユーザーの悩みでした。
G-SYNCに近い使用感を認めたG-SYNC Compatibleモニター
そんな中でNVIDIAはFreeSyncモニタの一部に対し、G-SYNCが利用できるという「お墨付き」をはじめました。
それが「G-SYNC Compatibleモニタ」です。
実はただのFreeSyncモニタでもG-SYNC機能として使えるのですが、やはり高いリフレッシュレートなどになると画面の乱れなどが生じることがあるそうです。
その点、G-SYNC CompatibleはNVIDIAが実際に動作検証し、G-SYNCの機能として問題なしとしているので信頼性が高いのです。
21:9として日本で初のG-SYNC Compatibleモニター
そして、LG 34GL750-Bは日本国内発売品の2560x1080のモニタとしては初めて、G-SYNC Compatibleの表記を許されたモニタなのです。
G-SYNC Compatibleとして安くG-SYNC機能を使いたい!という人が待ち望んだモデルと言えるでしょう。
私が利用しているG-SYNC搭載のLG 34UC89G-Bに比べると安いのでお買い得なモデルとなります。
LG 34GL750-Bが私の買ったLG 34UC89G-Bより優れている所
価格
繰り返しになりますがLG 34GL750-BはLG 34UC89G-Bより数万円安いです。この差額の発生要因は「G-SYNCのチップを載せなかったから」ということに尽きると思います。
HDR 10対応
DR(Dynamic Range)とは、明るさの幅のことです。
HDRモニタと称されるものは、明るさの幅が従来のSDR(Standard Dynamic Range)とされるモニタよりも広く、暗さと明るさの差が広がっています。
LG 34GL750-BはHDR 10という10bitの色深度に対応し、HDR出力のゲームでより明るさのレンジが広い映像を体験することが出来るのが特徴です。
LG 34UC89G-BではHDRに対応しておらず、8bitの色深度となります。
DP/HDMI接続どちらでも144Hzに対応だが、DPで繋ごう
LG 34UC89G-BではDisplayPort接続時のみ、60Hzを超えるリフレッシュレートに対応していました。
LG 34GL750-BではDisplayPortでもHDMIでも144Hzの表示に対応しています。
複数のPCを接続して切り替えて使うときなどには特に便利だと思います。
ただし、G-SYNCを利用するにはDisplayPort接続で接続する必要があり、これはG-SYNC Compatibleモニターも例外ではありません。
というわけで、G-SYNCを利用する場合にはDisplayPort接続が必須となります。
LG 34GL750-Bのちょっと気になる所
純正G-SYNCより対応Hz範囲が狭い
私が使っているLG 34UC89G-Bは、30Hz~144Hz、オーバークロック(オーバードライブと同義)を入れれば166HzまでG-SYNCに対応しています。
LG 34GL750-Bは50Hz~144HzまでG-SYNCに対応しています。
Hz=fpsですから、つまり30~49fpsの間はG-SYNCによる同期がサポートされていないことになります。
とはいえ、そのくらいのfpsで遊ぶのはPCスペックに対してめちゃくちゃ画質を盛って遊ぶ時くらいなので、余り考慮しなくても良いかもしれません。
背面USBポートがなくなった
LG 34UC89G-Bは背面に2つのUSB3.0ポートがありましたが、LG 34GL750-Bにはありません。
ここは単純にコストカットかなと思います。
オーバークロック165Hzに未対応?
私の購入したLG 34UC89G-Bはオーバークロックモードで165Hzを表示させることが出来ました。(メーカーの動作保証外ではあります)
144Hz以上は見分けがつきにくいと言われまして、私自身も144Hzと165Hzの20Hzの違いを体感出来るか?と言われると…う~ん、という感じではあります。
いずれにせよ、LG 34GL750-Bにはオーバークロックに関する説明がないので、搭載していない可能性が高いと思います。
既存のLGウルトラワイドモニタ製品の欠点
めちゃくちゃ基本的なところなんですが、LGモニタはG-SYNCが正常に働いているかどうかを簡単に見分ける術がありません。
この点、後述するAcerの21:9G-SYNCモニタであるAcer Z35bmiphzには、モニタ側で現在のリフレッシュレートを表示させる機能がついています。(Acerサポートに確認しました)
G-SYNCはNVIDIAのドライバや利用するゲームによって不安定な時があります。
実際にG-SYNCが働いて可変リフレッシュレートになっているかどうかを確認する際に、LGモニタにこういったOSD機能がないのは正直な所やや不満があります。
2560x1080の21:9ワイドモニタ3選
色々懸念も書きましたが、21:9を一回使ってしまうともう他の比率のモニタが一気に狭くなってしまうほどのインパクトがあります。
MMORPGやレースゲームなどではもう、ホントに目の前全てがモニタ!という感じなので、まだ使ったことのない方は是非使ってみていただきたいですね。
2560x1080の上に3840x1440という、4Kに近い解像度の21:9モニタもあります。
ただ、個人的には本当にハイエンドGPU用だと思うので、まだ2560x1080でイイんじゃないかなと思っています。
更に2560x1080は1920x1080と2560x1440の間くらいの負荷ですので、ゲームで画質設定を落とせばGTX1660Tiあたりのグラボ搭載マシンでも144fps=144Hzの恩恵を受けられるからです。
というわけで、今回は2560x1080で私が買い換えるなら…という3商品をピックアップしました。
21:9(2560x1080)モニタ3種類と比較
モニタ | LG 34GL750-B | Acer Z35bmiphz | LG 34UC70GA-B |
画像(amazon) | |||
液晶パネル方式 | IPS(ハーフグレア) 曲面 | VA(非光沢) 曲面 | IPS(非光沢) 曲面 |
画面サイズ | 34inch | 35inch | 34inch |
解像度 | 2560x1080 | 2560x1080 | 2560x1080 |
画素ピッチ | 0.312mm x 0.310mm | 0.32mm | 0.312mm x 0.310mm |
G-SYNC* | ○(G-SYNC Compatible) | ◎(G-SYNC) | - |
FreeSync | ○ | - | ○ |
動作Hz表示OSD | - | ○ | - |
接続 | DisplayPort HDMI x2 |
DisplayPort HDMI |
DisplayPort HDMI x2 |
USBポート | - | 3.0 x4(upx1&downx4) | 3.0 x2(up1&down2) |
HDR10 | ○ | - | - |
垂直走査周波数 | 50-144Hz(DP) 60-144Hz(HDMI) |
30-144Hz(DP) 200HzまでOC可 24-60Hz(HDMI) |
50-144Hz(DP,HDMI) |
表示色 | 約1,677万色 | 約1670万色 | 約1,677万色 |
輝度 | 300cd/㎡ | 300cd/㎡ | 250cd/㎡ |
コントラスト比 | 1,000:1(標準値) | 3,000:1(通常) | 1,000:1(標準値) |
応答時間 | 5ms(GTG High) | 4ms(GTG) | 5ms(GTG High) |
色域 | sRGB99%(標準値) | sRGB 100% | SMPTE-C(NTSC) 72% |
スピーカー | - | 9W+9Wステレオ | - |
幅 | 820mm | 844mm | 831mm |
高さ | 445mm~565mm | 554.5mm~684.5mm | 450mm~570mm |
奥行 | 280mm | 299mm | 280mm |
重量 | 8.3kg | 12.65kg | 8.6kg |
VESAマウント | 100mm x 100mm | 100mm x 100mm | 100mm x 100mm |
保証 | 3年(バックライト含む) | 3年(パネル、バックライト1年) | 3年(バックライト含む) |
LG 34GL750-B
7/30に発売となるLG 34GL750-Bは、LGの21:9WFHDモニタとしての最新モデルです。
ここが良い!
G-SYNC Compatibleにも対応しているのでG-SYNC機能がNVIDIAのお墨付きで使えます。
そしてFreeSyncでもあるので、Radeonでも同様の可変リフレッシュレートが利用できます。
HDR10に対応していることも魅力です。IPSパネルを利用しており、正面以外から見ているときにも色の変化が少ないのも強みです。
保証3年も安心。
ここが気になる…
懸念としては前述したとおり、カタログスペックでは144Hz上限だと思われること。
ディスプレイ表面仕上がハーフグレアなので、どれくらいの反射具合なのかも人によっては気になるかもしれませんね。(ギラギラではないと思いますが)
また、従来のLGモニタで対応していなかったように、モニタ側でのリフレッシュレート確認は出来ません(LGサポートに確認済)
- 1ms Motion Blur Reduction
- DAS(Dynamic Action Sync)モード
などの遅延低減技術を採用していますが、1ms Motion Blur ReductionはFreeSync時には併用できないとあるため、G-SYNC時にも利用できないと考えられます。
更に、HDR10は10bitであり、1000段階以上の画面輝度を表現できる規格ですが、LG 34GL750-B自体の輝度は300cdとなっていて、DisplayHDR 400には至らないレベルです。
256段階の8bitに対してどこまでアドバンテージを感じられるかはわかりません。おまけレベルで考えたほうが良さそうです。
総評
カタログスペックで見る限りでは
- IPSパネル&曲面で画面端などの色変化が少ない
- 300cd/㎡のパネルなのでHDR10を体感できるほどの差があるかわからない
- ガッチガチにFPSなどのシューターをする場合は144Hzだと足りないかも
- MMORPGやRTSなどを遊ぶ場合には十分なアドバンテージを得られる
- G-SYNC Compatibleなので144Hz設定&DisplayPortでG-SYNCが使える
- 34インチ21:9で迫力のある映像
という感じで、お値段の6万円なりの商品だなあという感じがします。
それでも私が使っているLG 34UC89G-Bよりはイマドキなモデルかなと思いますし、60Hzの非ゲーミングモニタを持っている人が乗り換えたら「うおお、すげえ!」となることでしょう。
Acer Z35bmiphz
Acer Z35bmiphzは、私がLG 34UC89G-Bと購入を最後まで迷った21:9のG-SYNCモニタです。
ここが良い!
オーバークロックで200Hzに対応しており、21:9ディスプレイとしては最高峰の200fpsを表示できます。
上だけでなく、30HzからのG-SYNCに対応しているので、例えば35fpsというかなり重たい動作環境でも35Hzでしっかり同期してくれるでしょう。
VAパネルを利用しており、3000 : 1という高いコントラスト比を持っているため、黒の階調が美しく表示できるでしょう。
ノングレアなので反射も気になりません。
そしてOSDで現在のモニタの動作Hz数が確認できる所。これがLGにはありません。
この機能によってG-SYNCが正しく動いているかをディスプレイの機能と合わせてチェックすることが出来ます。
ここが気になる…
最大200Hzまでのオーバークロックが可能ですが、VAパネルである関係上、黒系の残像感が出やすいというレビューを散見します。
実用として200Hzが使えるかはおそらくメーカーとしても保証しないと思います。
HDR10には非対応です。
パネル、バックライトの保証が1年なのもちょっと心もとないかも?
総評
- 確実にG-SYNCが効いているかを確認できる
- 高いコントラストを表現できる(ただしSDR=8bit内で)
- 30Hz~200Hzという広範囲な可変リフレッシュレートを実現する
- 残像はあるかも
- fpsよりは画質重視のプレイヤー向き
と私は判断しています。
LG 34UC70GA-B
LG 34UC70GA-Bは、LGの34インチ21:9のWFHD144Hzモニターとしてはエントリークラスに位置するモデルです。Amazonの専売商品です。
ここが良い!
まずは安いこと。144Hzの34インチウルトラワイド、しかもIPSパネルとしてはかなりお買い得です。
ノングレアなので反射が気になる人にもおすすめです。
G-SYNC Compatibleの認証をもらってはいないものの、FreeSyncには対応しているのでG-SYNCが利用できる「かも」しれません。
色域はNTSCで示しているので72%と聞くと低いのかな?と思うかもしれませんが、NTSCの72%=sRGB100%と同等です。
安めでも保証が3年で安心感があります。
ここが気になる…
G-SYNCを144Hzで利用できるというお墨付きはありません。使えなくても良いと考えて購入して下さい。
また、モニタ側でOSDによるリフレッシュレート確認は出来ません。
液晶の輝度がLG 34GL750-Bに比べると50cd低く、通常ゲームで気になるレベルではないと思いますが画質はちょっと落ちるでしょう。
総評
144Hzのウルトラワイドをとにかく安く買いたい!という場合の有力な選択肢だと思います。
余談:黒い砂漠をウルトラで遊ぶならどれがいい?
これが本題のお問い合わせだったんですけど、上記3機種はそれぞれ違った恩恵が受けられると思います。
まず、黒い砂漠を2560x1080でウルトラモードで動かす場合、RTX 2080 Tiを使っても144fpsを出すことは出来ません。
60~90fpsくらいではないかと思います。
ここでG-SYNCが役立つことになりますが、G-SYNC自体もやや重かったり、ドライバによっては安定しないこともあります。
そのため状況によってG-SYNCを利用したりしなかったりすると思います。
7/30に発売となるLG 34GL750-BはHDR10対応がウリですが、現状では黒い砂漠はHDR10には対応していないはずです。
他のHDR対応ゲームなどでは効果を感じられるかもしれないので、他のゲームも遊んだり、YouTubeなどでHDR動画を見る場合は意味があると思います。
G-SYNCは50fps以上でないと効かないと思われるので注意。
Acer Z35bmiphzはVAパネルによる高いコントラスト比によって、美しい「黒」が表現できそうです。明るさを落とした時に本領発揮かも。
正式なG-SYNCを搭載しているので、30fps~60fpsをゆらゆらするようなPCスペックの場合、特に威力を発揮します。
G-SYNCときちんと同期しているかをモニタ側で確認できるので、私のモニタよりG-SYNCに対しての強みと安心感があると思います。
LG 34UC70GA-BはウルトラというよりMIDDLE/LOWとかで垂直同期を切って、高いリフレッシュレートをメインに遊ぶ場合は全然アリな選択肢です。
144fpsくらいになってくるとG-SYNCの有無の違いを感じにくくなってくるように思います。
とりあえずスペックを見ての感想は以上となります。参考になれば幸いです!
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