GeForce RTX 50シリーズかRadeon RX 9000シリーズか迷ったら見て
2025/04/04
ゲーミングPCのグラフィックボードにはGeForceとRadeonがある。最近はGeForceが品薄で、Radeonの新製品も出た。
「じゃあRadeonでいいか」と言う人もいるだろう。4Gamerのレビュー記事を読んでも、GeForce RTX 5070とRadeon RX 9070 OCは、ゲームで結構いい勝負をしていた。
ただ、GeForceとRadeonには「根本的な機能」に違いがあったりするので、そこを整理しておきたいと思った。
Contents
GeForceとRadeonの本質的な違いとは?
ざっくり言えば、GeForce RTXシリーズは、映像美とAI関連に優れている。
一方で、Radeonはコスパで勝負してきたが、最近はAIアップスケーリングやレイトレなどにも力を入れ、グラフィック品質向上にも力を入れてきている。
AI関連の対応状況は圧倒的に「GeForce」
NVIDIA GeForce | AMD Radeon | |
AI用途 | ● | ▲ |
まず、AIの分野では、GeForce(CUDA)が業界標準であり、Radeonだと使えない場合がある。
「いやいや、AIなんてやらないよ」という人でも、意外と「隠れたGeForce向けソフト」にお世話になるものだ。
例えば、ボイスチェンジャー。AIに対応したものが増えており、だいたいGeForce用である。無料で使えることで人気の「RVC(Retrieval-based-Voice-Conversion)」では、「PyTorch」というライブラリを使う。では、PyTorchのインストールページを見てみよう。
WindowsではGPUコンピューティングのプラットフォームとして「CUDA(GeForce)」の選択肢は3つあるが、Radeonがサポートする「ROCm」には打消し線が引いてあり選べないようになっている。(なお、LinuxならROCmにも対応している)
プログラミングをやっていても、一番面白いのが深層学習の分野である。例えば、画像の背景を一発で切り抜くWebサービスがあるが、個人的にローカルで処理したい時、GeForceでrembgを使えば無料で似たようなものが作れる。
というわけで、あなたがPCに目覚め、突然AI的なものにお世話になりたい日が来た時、GeForceを選んだ過去の自分に感謝することになるだろう。
Radeonでも何とかすれば動くという話も聞くが、その「なんとかする」手間がいらず、公式対応となるメリットがGeForceの強みである。
GeForce向けゲームの例
ライフシムゲーム「inZOI」では、自然言語でキャラクターの背景設定ができる。例えば「お前は犬の生まれ変わりだ」といった指示を出すと、その設定を活かした振る舞いを行ったりするのだ。このスマートZoi機能は、執筆現在ではGeForce向けである。
VRデバイス
NVIDIA GeForce | AMD Radeon | |
MeganeX superlight 8K | ● | × |
VRデバイスを使う場合は対応状況を確認しておこう。
たとえば「MeganeX」は、SteamVR用の超高解像度・超軽量・6DoF対応VRヘッドセットだが、AMD Radeonでは動作しないと書いてある。
【ゲームの超解像技術】DLSS vs FSR
今の時代、ゲーム解像度をマシンパワーだけで上げるのは現実的ではなくなってきて、AIによるアップスケーリング(超解像技術)が採用されている。4K解像度はもちろん、FHDでさえAIアップスケールを前提とする場合があるので、重要な技術となっている。
そのテクノロジーは主に2種類ある。
- NVIDIAが開発した「DLSS」
- AMDが開発した「FSR」
これらのサポート状況が、グラボやゲームによって違う点に気をつけたい。
最新状況で言えば、RTX 50シリーズはDLSS 4が使え、RX 9000シリーズではFSR 4が使える。ただ、DLSS3とFSR3だと状況は異なり、GeForceはどちらも使える。
NVIDIA GeForce RTX 50 | AMD Radeon RX 9000 | |
DLSS 4 アップスケール | ● | × |
DLSS 4 MFG (マルチフレーム生成) |
● | × |
DLSS 3 アップスケール | ● | × |
DLSS 3 FG (フレーム生成) |
● | × |
FSR 4 アップスケール | × | ● |
FSR 4 AFMF (フレーム生成) |
× | ● |
FSR 3 | ● | ● |
FSR3 AFMF (フレーム生成) |
● | ● |
FSR 4がGeForceで使えなくなったのは、FSR 4からも、Radeonに搭載されるAI Acceleratorというハードウェアで処理させることにしたからだ。
これによってFSR 3よりも高品質なアップスケーリングが可能になるとのこと。
画質についてはDigital Foundryによる比較映像がわかりやすかった。
4Kのパフォーマンス設定(1920x1080ベース)で、FSR 3 < DLSS 3(CNN) < FSR 4 < DLSS 4(Transformer)という印象だった。
FSRがDLSS3に勝つレベルまで行ったのは「Radeon頑張ったなあ」と素直に感心する。
そして、DLSS 4同様、FSR 4も基本的には対応しているタイトルでしか恩恵を受けられない。
最近話題の「モンハンワイルズ」においては、Steamで「現状では(FSR 4は)サポート対象となっておりません」という公式声明も出ていた。
ただ、「正式の対応については今後のご案内をお待ちください。」とのことなので、いずれ対応する見込みはありそうだ。
モンハンワイルズでは執筆現在、DLSS 3.7.10とFSR 3.1.3が利用できるため、GeForceでもRadeonでもアップスケーリングやフレーム生成を活用してプレイ可能だ。
レイトレーシングはRadeonも頑張っている
NVIDIA GeForce RTX 50 | AMD Radeon RX 9000 | |
レイトレーシング性能 | ● | ▲ |
レイトレーシングは、物体と光と影を計算する手法で、よりリアルな光源や陰影の効果を再現する3DCG技術だ。
現状、レイトレをフル活用してゲームをしたい場合も、GeForce RTXシリーズの方がまだ性能が出やすい。
ただ、レビュー等によればRX 9000シリーズになってレイトレーシング性能も着実に上がってきており、「Radeonだから全然ダメ」という時代ではなくなってきているようだ。
AMDもリアルタイムの「パストレーシング」に関して、FSR 4世代での技術デモを公開している。
GeForceの描く未来の技術「ニューラルレンダリング」
GeForceは、「テクスチャをAIで描く」という次世代テクノロジーを実現するだろう。「ニューラルテクスチャ圧縮」などは高い軽量化効果を持つ可能性があるので、特定のハイグラフィックスゲームにおいては活用されると考えられる。
例えば、ここに47MBのメモリを使って描くオブジェクトがある。これをAIを使うことでメモリ使用量を削減すると…
16MBまで落としてもこのくらいの品質を維持できる…とNVIDIAは主張する。これがニューラルテクスチャ圧縮だ。
RTXニューラルフェイスは、3Dキャラクターの顔を、画像生成AIのような技術でリアルタイムに描いてしまう技術である。これができるとキャラメイク系ゲームの時代が変わるだろう。例えば、プレイヤーがキャラメイクできるゲームで、破綻が少なくなる可能性があるし、表情なども自然になりやすいと考えられる。
この技術は当然、GeForce RTXシリーズ専用となるだろう。
GeForce RTX 50シリーズ搭載PC
こんな人にはGeForce
- 「AIボイチェン」など「AIナントカ」に触れるかもしれない
- 「クリエイティブ」をやる
- VRをやる
- とにかく良い画質でゲームをしたい
- PCならではの最新のグラフィック技術を体験したい
モンハンのようなゲームだけだとGeForceの優位性は揺らぎつつある。だが、それ以外は全然揺らいでいない。
高品質なDLSS4が使える点は強みだし、RTX 50ではニューラルレンダリングなどの技術を組み込んでいるので、対応ゲームが出てきた時に評価が化ける可能性がある。AI関連の利用にどのくらい感心と利用機会があるかは人によると思うが「せっかくPCを買ったので色々やってみたい」という人、特に若い人にこそGeForceを奨めたいのが本心である。
GALLERIA XA7R-R57 7800X3D搭載
・CPU: Ryzen 7 9800X3D
・GPU: GeForce RTX 5070 12GB
・メモリ: 32GB DDR5
・SSD: 1TB Gen4 SSD
定番のGALLERIAからは、最新最強クラスのゲーミングCPU「Ryzen 9800X3D」と「RTX 5070」の組み合わせ。9800X3Dは8コア16スレッドCPUながら、前世代7800X3Dよりも強化されたマルチスレッド性能もあり、ゲーミング以外のタスクでも高い性能を発揮する。
GALLERIA XA7R-R57 7800X3D搭載 製品ページ
G TUNE DG-A7G70
・CPU: Ryzen 7 7800X3D
・GPU: NVIDIA® GeForce RTX 5070 12GB
・メモリ: 32GB
・SSD: 1TB Gen4 SSD
マウスコンピューターのG Tuneでは映えるタイプのミニタワーモデルが登場。CPUは7800X3Dとなるが、ゲーム中心用途なら十分な性能。標準3年保証が嬉しい。
Astromeda Gamer
・CPU: 各種
・GPU: NVIDIA GeForce RTX 50シリーズ各種
・メモリ: 16GB~
・SSD: 500GB Gen4 SSD~
AstromedaのGamerシリーズは、華やかな簡易水冷ヘッドと、それを取り囲む7つのLEDファンなど、見た目と実用性を高い次元で両立しているPCだ。こちらもRTX 5070を取り扱っている。以下のクーポンで5000円引きなのでぜひ。
og.net-0214
AMD Radeon RX 9000シリーズ搭載PC
こんな人にはRadeon
- レイトレなどを用いない純粋なラスタライズPCゲームをプレイするのが中心
- 究極の画質よりはコスパを重視
- AIやVRなど難しそうなことはやらない
- 同価格帯でVRAM量を重視したい
RX 9000シリーズからはGeForce同様にFSR 4を専用ハードウェア用とし、高品質なグラフィックスを目指してGeForceに対する競争力を持とうとしている。
FSR 4は「DLSS3に勝てる画質」を出せるので、ゲームプレイでの実用性は十分あるだろう。
なので、「PCはゲーム専用機」「FPSやアクションで、素のゲーム性能だけを極めたい」「少し古いゲームに高画質MODを詰め込みたい」という人には、Radeonが向くかもしれない。
GE7A-C250/BH
・CPU: AMD Ryzen 9 9800X3D
・GPU: AMD Radeon RX 9070 XT 16GB
・メモリ: 32GB DDR5
・SSD: 1TB Gen4 SSD
TSUKUMOのG-GEAR プレミアムミドルタワー。Ryzen 9 9800X3DとRX 9070 XTを搭載する、「オールAMD」なハイエンドクラスゲーミングPCだ。
GALLERIA XA7C-97
・CPU: Intel Core i7-14700F
・GPU: GeForce RX 9070 16GB
・メモリ: 32GB DDR5
・SSD: 1TB Gen4 SSD
RyzenのX3Dモデルに比べて価格が安い14700FとRX 9070と組み合わせた価格重視モデル。
20 コア/28 スレッドのおかげでマルチスレッド性能が高く、ゲームもPC作業もバランスよくしたい人向け。
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