Astromeda Gamerレビュー | 動画AIまで扱える最新オシャレゲーミングPC
AstromedaのゲーミングPC「GAMER」シリーズが、RTX 50シリーズに刷新された。
今回はミドルスペックモデルのRyzen 7 7800X3D & RTX 5060 Ti 16GB搭載モデルを株式会社マイニングベースよりお借りしてレビューする。
最新のゲームだけではなく、VRAM16GBを活かしたローカルAIの動作についてもチェックしてみよう。
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Contents
美しく楽しい外観
AstromedaのゲーミングPCの最大の特徴は、正面とサイドの2面がガラスになっていることだ。
LEDを搭載するゲーミングPCも増えてきたが、大抵はサイドパネルのみがガラスで、2面ガラスのPCは少ない。正面からもパーツやLEDの煌めきが見えるのは、何度見てもインパクトがある。

ケースカラーはブラックのほか、ホワイトやピンクもある

ケースのLEDボタンを押すと、様々な色やアニメーションパターンで発光する
実用性の面でもガラスケースは特別な意味がある。通常のケースではPCの内部パーツは隠されているわけで、搭載されているファンなどが正常に動いているかはわかりにくい。しかし、このくらい全てのパーツが明確に見えていると、各ファンがきちんと動作しているかがパソコンの素人でも一目瞭然にわかる。これは結構大きなメリットだ。
2面がガラスだと強度や剛性感が気になるところだが、その点はかなりしっかりしている。私は同ケースの機種をこれで4回ほど借りてレビューしているが、いずれも立てた状態でサイドパネルを外せるし、戻すこともできている。梱包も気を遣っていて、PCを緩衝材で上下から挟んで浮かせた状態で化粧箱に包み、更に一回り大きなダンボールに包まれて届く。これならガラス製品でも割れなどの心配はないだろうと感じる。

バックパネル側は前後メッシュで、エアフロー重視の設計。前方からは3つのファンのLEDの光が溢れる

梱包は2重になっており、PC輸送時の衝撃を考慮していることを感じられる
お手入れのしやすいマグネットフィルター
オシャレなゲーミングPCだから、ケース内にホコリが入るのは極力避けたい。そこで、Astromedaではマグネット式で簡単に着脱可能なエアフィルターをケースの上下に備えている。

ケーストップは簡易水冷クーラーの排気口でもある

このようにツールなしでペロっとフィルターが取り外せるので掃除は簡単だ

ケース底面から空気を取り込むため、フィルターが設置されている

こちらも同様にマグネット式で、簡単に取り外せる
インターフェース
ケース上部
ケース上部には、電源ボタンやUSB Type-A、オーディオ端子などが並ぶ。一番右の「LED」ボタンを押すと、LEDの色や発光パターンが切り替わる。(※メモリを除く)
- USB2.0 Type-A x2
- USB3.0 Type-A x1
- ヘッドフォン
- マイク
LEDの発光の雰囲気は以下の動画をご参考に。(※同じマザーボード搭載の旧機種で撮影。完全に同一ではない可能性があります)
ケース背面
ケース背面は搭載するマザーボードによって端子も異なる。レビュー機で搭載されている「ASRock B650M Pro RS(MicroATX)」の場合は以下の背面ポートが備え付けられている。
- USB 3.2 Gen2 Type-C x1
- USB 3.2 Gen2 Type-A x1
- USB 3.2 Gen1 Type-A x2
- USB 2.0 Type-A x4
- 2.5 ギガビット LANポート
- 7.1 チャンネル HD オーディオ
- HDMIおよびDisplayPort(CPUグラフィックの映像出力ポート) ※通常は接続不要
通常、モニタへの映像出力は下部のグラフィックボードポートから行う。HDMIx1、DisplayPort x4を備えている。
スペックとカスタマイズ
レビュー機スペック
Astromeda Gamerには様々なスペックのモデルがあるが、今回はRyzen 7 7800X3DとRTX 5060 Ti 16GBを搭載するモデルをレビューする。
CPUのRyzen 7 7800X3Dは、最新の9800X3Dには劣るものの、低めの消費電力に対して非常に高いゲームパフォーマンスを誇るCPUとして人気がある。とにかく、「これで性能が足りないなら完全にゲーム設計が悪い」と言えるくらいパワフルなCPUだ。グラフィックボードのRTX 5060 Tiは、RTX 50シリーズの中ではエントリーグレードに近いのだが、VRAM搭載量の違いで8GBモデルと16GBモデルがある。今回のレビュー機は、RTX 5060 Ti "16GB"にカスタムしたモデルとなっている。これは私が希望したためで、最近のゲームを高い設定で動かしたり、ローカルAIを動かすにはVRAMが多いモデルのほうが望ましいと考えたためだ。
メモリについては標準では非発光モデルなのだが、レビュー機ではLED仕様になっている。グラフィックボードの支えである「RGB GPUステイ」も装着されている。その他細かいところではSSDが500GBから1TBへ、電源が650Wの標準モデルから750Wに変えられていた。
標準仕様 | レビュー機 | |
ケースカラー | ブラック | |
CPU | AMD Ryzen 7 7800X3D (8コア16スレッド) |
|
GPU | NVIDIA GeForce RTX 5060 Ti 8GB | NVIDIA GeForce RTX 5060 Ti 16GB |
マザーボード | ASRock B650M Pro RS(MicroATX) | |
メモリ | DDR5(5200MHz以上)非LED32GB | DDR5(5200MHz以上)LED32GB ブラック |
水冷クーラー &ケースファンカラーの変更 |
変更なし(ケースと同色) | |
水冷クーラー &ケースファンカラー |
変更なし(ケースと同色) | |
GPUカラー | ブラック | |
SSD(1つ目) | 500GB M.2 NVMe Gen4 | 1TB M.2 NVMe Gen4 |
SSD(2つ目) | 非搭載 | |
HDD | 非搭載 | |
RGB GPU (グラフィックカード)ステイ |
なし | あり |
CPUグリス | ノーマルグリス | |
無線LAN(Wi-Fi&Bluetooth接続) | なし | |
OS | Windows11 Home | |
電源 | 650W Bronze | 750W Bronze |
電源スリーブケーブル | スリーブケーブルなし (標準電源ケーブル) |
CPUクーラー
360mmの簡易水冷CPUクーラーが標準で採用されている。ラジエターはケース上面に配置される。
メモリ

円形の水冷クーラーヘッドの右隣で、縦長に光るLEDメモリ
CPUクーラーのヘッドもLEDで輝くのだが、隣に位置するメモリもLED対応にすることができる。電源をつけているとメモリ部分は結構目立つので、LEDオプションはアリだと思う。LEDメモリは本体色がブラックとホワイトから選べる。例えば、ブラックのケースだったらブラック、ホワイトやピンクのケースだったらホワイトにすると良いと思う。
GPU&GPUステイ
オーダー時、グラフィックボードはRTX 5060 Ti 8GB / RTX 5060 Ti 16GBのどちらかを選択する形となっている。レビュー機の16GBモデルはPalit製で、2スロットの3連ファンモデルとなっていた。
GPUの下に装着されている光るバーは「RGB GPUステイ」というオプション。グラフィックボードを支えつつ、装飾的な効果を持っている。この部分もLEDの色が同期して「映え」を担っている。
なお、「GAMER」シリーズはMicro-ATXマザーボードなので、PCIeスロットの拡張性は少ない。上の写真では、グラボの下にPCIe 3.0 x16スロットが1つ空いているのがわかるが、オプションのRGB GPUステイをつけるとブラケットが埋まってしまうので、実質不使用不可である。ケース的にはATXマザーも入るので、PCIeスロットが必要ならATXマザー採用の「STREAMER」「CREATOR」シリーズも選択肢になる。
SSD
SSDは標準で500GB NVMe SSD(Gen4)が搭載される。また、空いているM.2スロットがあるので、「SSD(2つ目)」を追加することができる。AstromedaではSSDについて、1TB(約1000GB)へのアップグレードをおすすめしている。個人的にも1TB以上の容量をおすすめしたい。重量級ゲームだと、1タイトルで100GB以上のインストール領域を使う場合もあるためだ。
HDD

バックパネル側を開けたところ
HDDを追加する場合、バックパネルの上部にあるマウントに装着される。(2.5インチ)
ケース下部には電源が備え付けられている。貸出機では750Wモデルになっていた。電源ケーブルは直出しで、接続されていない不要なケーブルは束ねられてきれいにまとめられていた。消費電力チェック(後述)も行ったが、650W電源で基本的に問題ない。
電源スリーブケーブル
オプションの「電源スリーブケーブル」は、メモリの隣にあるATX 24pinケーブルや、GPUのケーブルを色付きのカバーで装飾するもの。BTOメーカーでも「配線の色」がカスタムできるショップは珍しい。

24pinケーブル(ゴールド)

GPU電源ケーブル(ホワイト)
本体カラーがホワイトやピンクのモデルの場合はスリーブケーブルにすると、質感が高級になり、特別感を出せるのでおすすめだ。レビュー機のように本体カラーがブラックの場合、基本的にケーブルも黒で同色のため標準のままでも気にならないが、差し色としてゴールドなどを取り入れるのはもちろんアリ。
LEDやカラーの関係は以下の記事で詳細に触れているので、合わせてチェックしていただければ。
ゲーム動作のチェック
レビュワーの主観にはなるがゲームごとの★5段階の満足度評価(1920x1080解像度時)もつけることにした。
- ★★★★★:非常に快適。ゲームや一般的な設定に対して性能が十分だと感じられる。
- ★★★★☆:快適。一部画質設定等を妥協する必要があるが、十分にゲーミングPCらしい体験ができる。
- ★★★☆☆:普通。設定の妥協などを求められるが、そのゲームを楽しめる。
- ★★☆☆☆:やや不満。あまり快適ではなく、できれば上位のPCがほしいと感じる。
- ★☆☆☆☆:不満。PCの能力がゲームに対して明らかに不足しており、プレイそのものができない。
ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー ベンチマーク ★★★★★
まずは中量級ゲームであるFF14ベンチマークをチェックしてみた。最高設定で、DLSSなどは使用しない状態でのテストになる。
1920x1080に対して、2560x1440になると2/3、そこから3840x2160になると1/2というような比率になっている。
黒い砂漠 ★★★★★
リマスターモードで、エルビアサウニールでの狩りをテスト。こちらもFF14ベンチと同じような比率である。
1920x1080はもちろん、2560x1440でもプレイできそうだ。3840x2160は60fpsは出ないものの、スクリーンショット撮影などには十分使えるレベル。
VALORANT ★★★★★
VALORANTはフレームレートが重要な競技系軽量シュータータイトルだ。非常にシビアなゲームのため、画質設定を落とした「競技系の設定」にてテストを行った。
360Hzモニタなども使える非常に高いパフォーマンスを発揮する。
モンスターハンターワイルズ ★★★★☆
モンスターハンターワイルズは、2025年を代表する重さのアクションゲームタイトルである。
公式ベンチマークにおける、ウルトラ設定とDLSSクオリティ、レイトレ高、フレーム生成オンでのテストを行った。
実際にゲームをプレイしての感触としては、60fpsを上限にして、1920x1080でのウルトラ設定&DLSSパフォーマンス、フレーム生成なしがおすすめ。
16GBのVRAMはDLCの「高解像度テクスチャパック」を適用できるが、それを処理するのはRTX 5060 Tiのパワー的にちょっと厳しい。CPUの7800X3Dには余裕がある印象。
Clair Obscur: Expedition 33 ★★★★★
フランスで作られた本年話題のターン制RPG。グラフィッククオリティが非常に高いのが特徴だが、戦闘ではQTEのようなジャストタイミングの反応が必要なため、ある程度フレームレートが欲しい。
最高画質のエピック設定にDLSSクオリティを設定し、ルミエールの大人数のNPCがいる円形広場をぐるっと一周した際のフレームレートを測定した。
1920x1080なら戦闘は問題ないレベルだ。3840x2160だと少し設定を下げる必要があるだろう。
The Elder Scrolls IV: Oblivion Remastered ★★★★★
オープンワールドRPGの名作「オブリビオン」のUnreal Engine 5リマスター版。
品質レベル「最高」かつ、LumenハードウェアRTをオン&ライティングモード最高にし、アドバンスド設定でDLSSパフォーマンス、フレーム生成オンにした状態で、オープンワールド上の雑木林(グレートフォレスト)の水辺を散策してテストした。レイトレーシングなどが効きやすいシチュエーションだ。
2025年のゲームらしく重さはあるが、ゲームとしてはそこまでアクション性が高くはない。2560x1440はもちろん、3840x2160でも遊べると言ってよいだろう。
サイバーパンク2077 ★★★★★
サイバーパンク2077の内蔵ベンチマーク機能でテスト。非常に重いレイトレーシング設定である「RT:オーバードライブ」をDLSSパフォーマンス設定&フレーム生成なしで動作させる。
実ゲームも1920x1080でならRT:オーバードライブでプレイできる。射撃などのフィーリングと画質のバランスが一番良い。
RTX 50シリーズの特徴である「マルチフレーム生成」はどうだろうか?最大の4X設定にしてみた。
こちらはベンチマーク画面上だと滑らかだし、3840x2160でも80fpsなどといった高いフレームレートで動作する結果が出ている。
ただ、実際にプレイしてみると3840x2160はシビアな撃ち合いは厳しい感があった。視点を大きく振った時の残像感はあるし、操作感はフレーム生成前の27fpsのもっさり感そのままである。
とはいえ、動くには動くので、ナイトシティの散歩くらいはできるだろう。
Cities: Skylines II ★★★★☆
都市開発シミュレーションゲームで、CPU&GPU要件ともになかなかキツい。
今回は13万人まで育てた都市で、シミュレーションスピードを最大にした際のフレームレートをチェックした。
かなり厳しめのテストながら、7800X3Dを搭載しているレビュー機では1920x1080なら高設定グラフィックスで動作する。ゲームとして30fps出れば十分遊べるので、動作は問題ないと言っていいだろう。
最低設定に下げれば60fpsも出せる。
inZOI ★★★★★
ライフシミュレーションゲームの「inZOI」では、実験機能である「スマートZoi」をオンにして、NVIDIA ACE(ローカルAI)によるキャラクターの言動の生成込みの動作をテストした。
1920x1080は余裕があったので、より美しいDLAAに設定、他の解像度はDLSSパフォーマンスで測定している。
キャラを眺めるゲームであるため、ゲーム的に高いフレームレートは求められない。60fps出ていれば十分だし、30fpsでも特段不快ではないタイトルだ。1920x1080から3840x2160(4K)まで問題なくプレイできそうだ。
なお、テスト時点ではRTX 5060 TiでスマートZoiをオンにするのにひと工夫必要だった。ゲーム設定画面で「スマートZoiを有効にする」をオンするのだが、設定画面から出るとオフに戻ってしまうのだ。そこで、ゲームのコンフィグファイル(GameUserSettings.ini)を開き「SmartZoiActive=1」を設定した。これで、RTX 5060 Tiでもスマ―トZoi機能が問題なく動作することがわかった。
テストでは、ブリスベイのビーチバレーコートで、複数人のZoiが集まった状態でスマートZoiをオンにした状態でテスト。画質設定はグラフィックプリセット「ウルトラ」でレイトレーシングもオンにし解像度別の設定を行ってテストした。
スマートZoiの設定は以下の通りで、最大設定でも問題なく動作しているようだった。
- スマートZoiを有効にする:オン
- 年内のZoi適用範囲:都市に居住するすべてのZoi
- 画面上のZoi適用範囲:画面上に見える多数のZoi
- リクエスト待機人数制限:12(Max)
テストゲームの平均フレームレート
1920x1080のゲーム性能は良好で、全体的な体感では★4.5くらい。CPUのRyzen 7 7800X3Dの高いゲーム性能のおかげで、計算が多い大規模ゲームでも処理力は十分にある。
2560x1440なら★3.5くらい。最新の重いゲームだとちょっと画質を落としたくなる感じ。
3840x2160は★2~3。RTX 5060 Ti 16GBの性能的にちょっと厳しく感じるゲームが多い。
VRAMは8GBでは不足する可能性あり
RTX 5060 Tiには8GBモデルもあるが、今回のテストにおいて、重量級ゲームでは高いグラフィック設定にすると1920x1080でも8GB以上のVRAMを使用していた。
もちろん、ただ容量を確保しているだけという可能性もあるが、モンスターハンターワイルズなどはVRAMが不足しているとビジュアルが崩れる問題なども報告されていることから、RTX 5060 Tiであれば16GBのモデルの選択が無難になるだろう。
VRAM使用量の例
いずれも1920x1080での最大値。(CapFrameXによる)
- Valorant:2.49GB
- 黒い砂漠:3.84GB
- Expedition 33:6.97GB
- Cities: Skylines II:7.46GB
- Oblivion Remastered:8.54GB
- inZoi:8.69GB
- モンスターハンターワイルズ:13.45GB
ローカル生成AIの動作
RTX 5060 Ti 16GBであれば、画像生成AIや動画生成AIなど、ローカルAIの動作も可能だ。
ローカルAIはクオリティ面では商用サービスにかなわないところもあるが、以下の3点は圧倒的である。
- 無料で利用できる
- プライバシー面で安心
- カスタマイズできる
RTX 50シリーズになってしばらくは、ローカルAIは使いづらい状況にあったが、現在は解消してきている。具体的には、AI関連では「PyTorch」という機械学習ライブラリを使うことが多いのだが、2025年4月23日にリリースされた「PyTorch 2.7」でRTX 50シリーズ(CUDA 12.8)に対応しているので、それぞれのAI関連ソフトが対応し始めている形だ。
また、AIに本格的に取り組む予定であれば、SSDやメモリの増量がおすすめ。
今回のマシンのSSD1TB、メモリ32GBでも動作はしているが、SSDは2TB以上、メモリは64GBあったほうが安心だ。特にDDR5メモリは後から足りない分だけ足すという増設が難しいので、先に思い切って64GB積んでしまうことをおすすめする。
Stable Diffusion Web UI Forgeによる画像生成
800x1024の画像生成では、1枚5.6秒で出力が可能だった。使用VRAMは5.8GBほどで余裕がある。
Hires.fixをオンにして、800x1024 → 1600x2048にアップスケーリングして出力した場合、45.3秒かかったが問題なく生成を終了した。使用するVRAMは11.2GBと増加した。
ComfyUI+Wan2.1による短時間動画生成
ComfyUIはすでにCUDA 12.8に対応しているので、Windows用アプリケーションをそのままインストールすれば基本的に動作する。
今回は高性能な動画作成モデルであるWan2.1を使って、先程作った画像をベースに短時間動画を生成してみた。
プロンプトとしては「Actress is smiling」として、笑顔を作ることを狙った。

作例(wan2_1-i2v-14b-480p-Q4_K_S.ggufを使用)
動画生成は静止画生成よりもマシンの要件が高くなるが、32GBのメインメモリと16GBのVRAMがあれば、とりあえず512x512pxの映像は出力できるようだ。出力には7分20秒を要した。
上の動画は上部にちょっとノイズが入ってしまってるが、気に入らなければ寝ている間にでも回し続けて出し直せばいい。出力回数の制限がある商用サービスに対し、無料で無制限に出力できるという点がローカルAIの大きなメリットだ。
LM StudioでChatGPTのような大規模言語モデル「Qwen3」を試す
ChatGPTやXのGrokなど、大規模言語モデル(テキスト生成)のAIはグッと身近になってきた。しかし、AIに話した内容は基本的に記録されており、プライバシーの点で不透明な所も多い。また、オンラインサービスは常に改良されてしまうため、ある時から返答内容が変わってしまった、なんてケースもあり得る。
その点、ローカルソフトのLM Studioとオープンソースの大規模言語モデルであれば、完全なオフライン環境でプライバシーを守りつつ、利用量の制限がない上に無料で同じバージョンの環境を使い続けることができる。
今回は性能評価が非常に高い「Qwen3-30b-a3b」を使い、LM Studioにて動作をチェックした。21秒~50秒ほどの待ち時間で非常に自然な日本語かつ、わかりやすい回答を得ることができた。ChatGPTでもo3などはそれなりの待ち時間があるので、それに比べると「少し遅いかな?」と感じるくらい。無料であることを考えれば全然許せる待ち時間である。なお、メモリは27GB、VRAMは15.4GBほどを使っていた。
また、チャットBOTのようなシステムや、AI利用ゲームを作りたい時には「API」を利用してプログラムからAIへ質問を投げ、返答を受ける形で開発を行うのだが、OpenAIのAPIなどは従量課金制であり、呼び出すごとにお金がかかる。その点、LM Studio上で自分で動かすならOpenAIのAPIと似たような形で無料で利用できる。
動画編集ソフト
Premiere Pro
YouTuberなどにも多く使われる動画編集ソフト「Adobe Premiere Pro CC 2023(v25.2.3)」を使い、ゲーム動画編集後の書き出し時間をテストした。
- ソースは約10分の3840x2160(4K) 60fps映像
- テロップとディゾルブ、Lumetriカラーを適用
- NVENCによるGPUエンコード支援あり
- 「H.264 YouTube 2160p 4K Ultra HD」プリセットで書き出し
GPUがメインのエンコードになるが、CPU能力も関係するので、総合的な性能でエンコード時間が変わってくる。
RTX 40世代のPCではv23を使っていたので純粋な性能比較にはならないのだが、最新のPremiere Proにおいて、4K動画の編集も問題なく行えることがわかった。
なお、Premiere ProはRTX 50(Blackwell)への正式対応はこれからで、ProRes 422など4:2:2素材のプレビューや編集時にGPUで加速されない問題がある。v25.3にて正式対応予定で、現在はベータ版のv25.3がある。ただ、ゲームの録画や配信、YouTube動画の作成などで用いるH.264やH.265は一般的に4:2:0なので、一般的なユーザーには現行バージョンでほぼ影響ないと思われる。
Astromeda Creator |
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Astromeda GAMER |
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Astromeda Streamer |
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Astromeda GAMER |
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ベンチマーク
PassMark
PassMarkは、CPU、2D&3Dグラフィックス、メモリ、ストレージのテストを行い、PCの全体的な水準をチェックできるベンチマークソフトだ。
レビュー機の全体的な性能は高く評価され、96パーセンタイル(上位4%)の結果を得た。
一番評価が高かったのは3Dグラフィックスの93パーセンタイル、最も低かったのはメモリで80パーセンタイルとなった。
冷却性能とパフォーマンス
見た目にこだわったPCも、きちんとパフォーマンスが出なければおすすめできない。
そこで、CPUとGPU(グラフィックボード)が高負荷時にどのくらいの温度になるか、きちんと高クロックで動作しているかをチェックした。 室温は26℃で測定している。
【CPU】Cinebench r23 マルチスレッド 10分テスト
Cinebench r23による、Ryzen 7 7800X3Dの10分間の全コア負荷テストを行った。
CPU温度は最大77.38℃、平均75.85℃となった。 ゲームをする時にここまで負荷が高まることは少ないし、最大動作的にもこの温度なら問題ないと言ってよいだろう。
全コア負荷時は平均4.8GHzで稼働しており、特に問題なさそうだった。
【GPU】サイバーパンク2077
サイバーパンク2077で、RTX 5060 TiのGPU使用率が100%に迫るような重い状況での温度や動作クロックをチェックした。
RTX 5060 Tiの温度は、高負荷時でも最高67℃に抑えている。安心して使える温度だ。
GPUクロックも2677MHzで安定しており、動作面は問題ないと感じた。
動作音
ケースサイド50cmから、デジタル集音計で動作音を測定した。
電源オフ |
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アイドル |
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モンハンワイルズ |
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CPUベンチ |
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主観ではあるが、基本的にゲーム中にうるさいと感じることはほとんどないだろう。ヘッドフォンではなくスピーカー環境でゲームをしていても快適に遊べるはずだ。
GPUファンはRTX 5060 Ti自体が省エネなことや、3連ファンモデルという冷却力の高さもあってかなり静かだった。
一方、CPUが全開で動くときは360mm簡易水冷の120mmファンが3基全開になるのでそれなりに動作音を感じる。
簡易水冷クーラーのファンはケース上部に接しているので、音がダイレクトに聞こえやすい。360mm簡易水冷を使う上で仕方ないところだと思う。
消費電力
アイドル |
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Cinebench r23(ピーク値) |
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モンハンワイルズ |
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PC全体の消費電力をワットモニターでテスト。ベンチマークやゲーム動作中の消費電力は、650Wの標準電源で十分間に合う使用量だ。
まとめ:ゲームはもちろん、AI入門機にもおすすめ
AstromedaのPCは、ガラスケースの美しさだけでなく、10個ものLEDファンが光る贅沢な仕様が特徴だ。さらに、内部の「配線」のカラーまでカスタムして楽しめる点では、私の知る限り唯一無二のBTOショップとなっている。こういったPCを自作しようとするとなかなか大変だ。LEDなどの不調に遭遇したり、組立中にガラス面を傷つけてしまった…なんていうヒューマンエラーにも泣きやすい。AstromedaはLED搭載PCのプロフェッショナルとして、丁寧なビルドと梱包で満足度の高いPCを届けてくれるだろう。
レビューした7800X3D & RTX 5060 Ti 16GB搭載機は、最新の重いゲームも1920x1080ならしっかり遊べる能力を持っている。軽めのゲームなら2560x1440や3840x2160で遊べる場合もあるだろう。16GBのVRAMを活かして、inZOIなどのローカルAIを利用する新時代のゲームや、生成AIそのものにトライしてみたい人の入門機としてもおすすめだ。かつて一斉を風靡した「RTX 3060 12GB」のポジションの再来になるかもしれない。
Astromeda PC購入で使える5000円引きクーポン
AstromedaのPC購入時に、クーポンコードを入力する欄がある。以下のコードを入力して「適用する」を押すと、5000円引きになる。(セール品など、一部対象外商品があります)
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