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Cyberpunk 2077で進化型レイトレ「パストレーシング」を試した

   

Cyberpunk 2077に2023年4月12日のアップデートで「パストレーシング」というレイトレのオプションが実装されました。早速試してみたので既存のレイトレとどう違うのか、重さなども含めて紹介します。

パストレーシングとは?

NVIDIAの言うパストレーシングは「レイトレをよりリアルにするために色々と包括して頑張ってる技術セットのこと」というレベルで理解していれば、我々エンドユーザーとしては十分でしょう。

レイトレーシングは、現在のゲーム画面から見た光(ray)の跳ね返りを計算して、鏡面反射や光の屈折などを表現する技術です。

NVIDIAのパストレーシング SDKでは、RTX ダイレクト イルミネーション (RTXDI)によって、シーン内の何百万もの動的な光と影をレンダリングすることができるそうです。

詳しく知りたい方はNVIDIA RTX Path Tracing SDKのページなども参考になると思います。

Cyberpunk 2077の設定

ではさっそくCyberpunk2077でパストレーシングを動かすための設定を見て行きます。

グラフィック設定のクイックプリセットに「レイトレーシング:オーバードライブ」が追加されています。これを選ぶだけでとりあえずはOK。ただ、今回はテストのためにもうちょっと詳しく見て行きます。

上記プリセットでは、DLSS 自動に設定され、DLSS Frame Generation(FG)も併せてオンにされます。FGはRTX 40シリーズでのみ利用可能です。

そして、レイトレーシング設定項目に新たに追加された「パストレーシング[技術プレビュー]」がオンにされます。パストレーシングはレイトレーシング機能の一部のため、オンにするとレイトレーシングも一緒にオンになります。

Pasted-27

 

Pasted-28

今回のCyberpunk 2077のパストレーシングプレビューは、RTX 4070 TiまたはRTX 3090以上の上位GPUが最低レベルとして推奨されていますが、実際そのくらいの重さがありました。

しかし、VRAM8GB以上でレイトレが動くグラボの場合は、フォトモードの撮影時にのみパストレーシングを適用することもできます。

Pasted-28

フォトモードのみでパストレーシングを利用する場合「パストレーシング」にチェックを入れず、「フォトモードのパストレーシング」だけをオンにします

レイトレーシングとパストレーシングの違いを比較

元の画像は3840x2160ですが、掲載の関係上1920x1080サイズに縮小しています。

レイトレーシング:サイコ設定は最上位のレイトレーシング設定で、既存の設定の中では最も重いものです。

【例1】レイトレーシング:サイコ

【例1】パストレーシング

【例1】比較画像

このシーンでは遠景を中心に違いがみられます。空の明るさなどのグローバルイルミネーションに影響されているのか、パストレーシングの方が遠距離の建造物が明るく描かれています。確かに、空の明るさを考えればこのくらい建造物がしっかり見えていて不思議ではありません。

【例2】レイトレーシング:サイコ

【例2】パストレーシング

【例2】比較画像

車の影の出方と、そこから感じられる地面との馴染み具合に注目です。車のボディから落ちる柔らかな影はレイトレーシングでは表現しきれておらず、浮いた感じになってしまっています。パストレーシングではそれを表現でき、自然な表現になっていると感じられます。これは明らかにパストレーシングの効果だと思います。

【例3】レイトレーシング:サイコ

【例3】パストレーシング

【例3】比較画像

壁面の凹凸に注目です。レイトレーシングでは元の凸凹に忠実に影の輪郭が表示されていますが、パストレーシングでは「その光源でそんなに凹凸がわかるようになる?」という解釈がされて、うっすらと柔らかな凹凸が表現されています。こちらも、細かく計算しているパストレーシングらしさを感じられます。

レイトレーシングとパストレーシングの重さの比較

i9-13900KF & RTX 4090でベンチマークを走らせてみたところ、次のような結果が出ました。

DLSSをオンにしている場合、「自動」だと何をやっているかよくわからないので、QualityとPerformanceを選択しています。

パストレーシングオフの場合、レイトレーシングは「サイコ」にしています。(パストレーシングオンの場合、レイトレーシング設定は自動でオンになります)

その他は最高設定です。

解像度 DLSS フレーム生成 レイトレ パストレ 平均fps
3840x2160 - - 21
3840x2160 - - - 37
3840x2160 Q - 42
3840x2160 Q - - 67
3840x2160 Q 69
3840x2160 P 90
1920x1080 - - 60
1920x1080 Q - 101
1920x1080 Q 169

 

パストレーシングは前評通り「レイトレ:サイコ」設定より更に重いので、常用できるのは本当に一部のハイエンド環境になりそうです。

RTX 4090の場合、4K(3840x2160)解像度においては、DLSSとフレーム生成を利用してようやくパストレーシングが利用可能になる感じです。

1920x1080でも試しましたが、DLSSなしだとGPU使用率が98-99%となっており、それで60fpsを割るシーンもあるほどの重さでした。

パストレーシングを利用した感想

パストレーシングはオンにした瞬間から「なんとなくきれいだな」と感じられるインパクトがあり、詳しく見るほどリアルで説得力があります。

それだけに非常に重いので、RTX 40シリーズでのみ利用できるDLSS3のフレーム生成機能がほぼ必須ではないでしょうか。フレーム生成はいずれの解像度でもとてもいい仕事をしていました。

 

CPU:i7-13700F
GPU:RTX 4070 Ti 12GB
メモリ:16GB DDR4
ストレージ:1TB(Gen3) NVMe SSD

グラフィックボードは公式に「RTX 4070 Tiが最低レベル必要」とされています。1920x1080でDLSSとFrame Generation(フレーム生成)を設定することで動作するでしょう。私はGTX10シリーズの時代からGeForce搭載PCをレビューさせていただいていますが、2023年にPCを買い替えるなら、RTX 4070 Ti搭載機は価格と性能のバランス的にかなり優秀だと思います。

 

CPU:i9-13900KF
GPU:RTX 4090 24GB
メモリ:32GB
ストレージ:1TB(Gen4) NVMe SSD

DLSSを入れた上でこの重さとなると、4KならRTX 4090で決まりでしょう。

3840x2160解像度で、DLSSとFrameGenerationをオンにすることで、パストレーシングオンでゲームを快適にプレイすることができました。

 


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