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パルワールドのクリア後評価。Steamユーザーを「狙い撃ち」できた理由は?

   

オープンワールドサバイバルクラフトゲーム「パルワールド」を100時間ほどプレイしたので評価を行ってみたい。

PC(Steam)ゲームプレイヤーのニーズを徹底的に研究している

Steamにおける同時接続人数歴代2位の記録は、プレイヤーのニーズを掴まなければ生まれなかったのは間違いない。

プレイヤーサイドから見て、「これは売れるわ」と思ったポイントを伝えていきたい。

1. 「ガンシューティング」であること

まず、「銃で撃つゲームにしたこと」が正解だった。

パルワールドはSteamで歴代2位のピークプレイヤー数を誇っている。1位はPUBG: BATTLEGROUNDS(TPS)で、3位はCounter-Strike 2(FPS)と、どちらもシューター系タイトルだ。それ以外にも、PCではAPEXやVALORANT、フォートナイトなど、銃を使うタイトルのヒットは目覚ましいものがある。

そもそも、人々はなぜこれほどまでにガンシューティングに惹かれるのだろうか。

理由は2つある気がする。

ひとつは銃器こそが現代最強の個人用携行武器だから。

パルが遠距離から放ってくる炎や雷撃はUnreal Engine 5でリアルに描写される。その炎は当たったら絶対にヤバいやつだと視覚的にわかるほど迫力がある。それに対し、プレイヤーたち人間キャラが直接対抗する手段として「アサルトライフル」や「ロケットランチャー」がある。

これらの銃器が終盤用の武器なのも良い。プレイヤーは最初は木のこん棒一本で冒険を始め、拠点をアップグレードしながら弓、クロスボウ、マスケット銃、ハンドガン、シングルショットライフル、アサルトライフル、ロケットランチャー…といった順で、強力な武器を順に「開発」する。まるで人類の武器進化の歴史を辿っていくかのようだ。

これがもし「魔法」だったらユーザーに受けただろうか?と考えると、おそらく「中ヒット」くらいが良いところだったのではないかとも思う。

そしてもうひとつは、ガンシューティングは操作系がわかりやすいということだ。WASDで移動し、マウスで狙ってクリックするのが基本。覚えることが少なく、誰でもすぐに始められる。

そう、パルワールドは子供でも遊べるやや牧歌的なTPSとしてレーティングされている。

Pasted-130

IARC(the International Age Rating Coalition)によるプレイ対象年齢の評価は、12+だ。

APEX LEGENDSがPEGI 16、CERO D(17歳以上)であることに比べると、このかわいらしい架空の動物を攻撃することは、"まだ"子供向けとしても許されるという認識のようだ。

親御さんもパルワールドの画面を見せられたら「まあこれくらいなら…」と思ってしまうだろう。

2. Steamプレイヤーが飢えていた「かわいいキャラクター」を提供したこと

突然だが、人間の赤ちゃんに見られる「ベビーシェマ」という特徴を知っているだろうか。

動物行動学者コンラート=ローレンツは,ヒトだけでなくイヌやトリなど多くの生物に共通する赤ちゃんの形態的・行動的特徴を調べています。その特徴とは,「体に対する頭の大きさの割合が大きい,顔より頭蓋のほうが大きい(大きい額),目が大きく丸くて顔の中の低い位置にある,鼻と口が小さく頬がふくらんでいる,。体がふっくらして手足が短くずんぐりしている,動作がぎこちない」というものです。このようなベビーシェマと呼ばれる特徴が大人に「赤ちゃんらしい」というメッセージを送り,大人は思わず微笑したり手を差し伸べたりしたくなるのです。この赤ちゃんの特徴と大人のほぼ自動的な反応が組み合わせられているため,誕生後すぐに1人では生きられないほど未熟な状態である赤ちゃんが,大人による愛情行動を引き起こし世話や保護を受けることができるようになっています。

赤ちゃんがかわいいのはなぜ? | 日本心理学会 (psych.or.jp)

つまり、赤ちゃんのようなかわいさとぎこちなさを持った「ベビーシェマ」なキャラクターは、多くの人間がそれを見ただけで本能的に魅力的だと感じる要素だということになる。

そんな「ベビーシェマ」を意識した愛らしいキャラクターは、PCゲームではあまり見られない。なんといっても、銃を持って人間か、あるいはゾンビなどの「いかにも悪」という相手を倒すゲームが多いからだ。あるいは、可愛いキャラのゲームは子供向けである。

つまり、ベビーシェマなかわいらしい絵柄を採用しつつ、Steamプレイヤーが好きなハードコアなゲーム性、つまりガンアクションやサバイバル要素などをそのまま据え置いたことが、パルワールドがヒットした最大の理由だろう。

しかも、ゲームエンジンは最新のUnreal Engine 5を利用している。UE5を使いつつ、重くならないようなチューニングが施されており、ミドルクラスのゲーミングPCで十分に遊べる。

3. ユーザーが自由に調整できる難度設定

ゲームは「ワールド」という単位でセーブされるが、ワールドごとにゲームの難度を設定できる点も評価が高い。

開発が決めた難度ではなく、プレイヤーが自分で難度を決めて遊ぶことができるのだ。

4. Game Pass版と差をつけた

パルワールドはSteam版とXbox版(Game Pass版含む)がある。

Steam版の方が先行開発されており、公式マルチプレイサーバーなどが用意されている。

Xbox版およびGame Pass版はバージョンが低く、マルチは自分でサーバーを立てての招待プレイしかできない。

また、Steam版とXbox版でのマルチプレイは今のところできない。

こういった理由から、Game Passで安価に遊べるにもかかわらず、Steam版を購入するユーザーが多くなったと思われる。

5. 価格

そして、Steam版が3400円(執筆時点)という安さだ。

SteamのゲームでもAAAタイトルになると1万円ほどになることが多いが、本作はインディーズメーカーのアーリーアクセス版ということもあって、手ごろな価格が設定されている。この価格帯だと「まあそこまで遊べなくてもいいか」という層が手に取りやすい。

また、Xbox版は3500円である。どういう理由の値段の差かはわからないが、おそらく「Steam版を買ってほしい」という気持ちがメーカーにあるのではないかと思う。

こうして、Steam歴代2位の記録はつくられた。

オープンワールドを活かしたゲームデザイン

オープンワールドゲームとしても高いレベルを体現している。ゲーム早期に「飛行」を開放し、上下移動を含めた三次元の自由な探索を楽しめる。

空中からの銃撃も可能。

また、ストーリーラインがなく、サンドボックス的に楽しめる点も強い。地域によって出現する敵の強さは異なるものの、行き先に制限はなく、プレイヤーがいきなり強い地方を開拓して商人からアイテムを買うこともできる。

このため、二周めのプレイはあらかじめ「こういう風に攻略していこう」という目標を立てて遊んでみたくなる。

建築の自由度

「拠点」はパルたちとともに生産をする場だ。プレイヤーは「拠点」をオープンワールド上の好きな場所に、それぞれの目的で3か所まで作ることができる。

拠点は階段で繋いで複数の階層を構築し、総面積を増やすのがおすすめだ。

プレイヤーの多くが「石で作るように」と口を酸っぱくして初心者に伝える。イベント発生する敵に攻め込まれる際に、木製だと簡単に燃やされて全壊してしまうからだ。

 

拠点は生産拠点としてだけではなく、臨時拠点としてフィールドボスの攻略に使うこともできる。

拠点にパルを出せること、彼らが外敵に対して攻撃してくれることを活かして、ボスのそばにあえて拠点を作るのだ。

最速飛行パル「ジェッドラン」と1vs1をするのが厳しい時は…

ボスのそばに拠点を作り、所持する最強パルたちを全部出しておく。そこにボスをおびき寄せて「数の力」で勝つという非道なこともできる。やられたら拠点から控えパルをどんどん入れ替えていく。

 

拠点以外にも建築は役立つ。例えば、遮蔽物がない場所に石壁を作り、敵の攻撃を防ぐ、といった形だ。開けた土地でカバーできる場所がない時、敵を分断したいときなどに使う。

耐久度もあるし100%敵の攻撃を防げるわけではないが、敵の攻撃を手軽に分断できる。

プレイヤーを休ませない設計

プレイしていて非常に強く感じたのが、プレイヤーに休みや中断を与えないように設計している点だ。

自動化ゲームはいろいろあるが、完全にプレイヤーの介在がなくなるほど自動化できると飽きてしまう。

そこで、プレイヤーにある程度の「忙しさ」を与え続けているのが上手いと思った。

拠点にいれば敵がイベントで襲撃してくるし、1時間に1回は各地のフィールドボスがリスポーンする。

拠点のパルたちも放っておくと病気になったりするし、餌の消費も大量だ。

次から次に「あれをやってみようかな?」「これもやらなくちゃ」となり、気が付けば何時間もぶっ通しでプレイしてしまうというわけだ。

様々なバグや仕様?

自由度が高い設計のため、バグっぽいものもいろいろ見つかっている。

突然落ちる

ソロプレイではほとんどなくなった。

マルチプレイの場合、Steamで公式サーバー接続している場合は、サーバーの問題である可能性もある。

サーバーを立ててホストしてプレイする場合、ホスト側の処理性能に依存するところもあるため、メモリ不足やその他の可能性も考えられる。

塔ボスが捕獲できる

パルワールドには5つの「塔」があり、そこにはそれぞれボスが待ち構えている。

敵キャラがパルに乗って戦う戦闘となり、本来「捕獲」できないはずなのだが、以下の手順を使うと捕獲できてしまう。

  1. 犯罪を犯す(市民を殴るなどして、自警団に発見される)
  2. そのままワープなどしてボスのいる塔に入る (犯罪状態が維持され、自警団がついてくる)
  3. 自分では攻撃せず、自警団にボスを攻撃させるようにする(自警団と自分の間にボスを入れるようにすると良い)
  4. 自警団の攻撃でボスにダメージが入ったら、ボスの背中からスフィアを投げる
  5. 捕獲に成功する
  6. リスポーンして外に出る(犯罪状態が解除される)
  7. 塔ボスが手持ちに入る

塔ボスは非常にHPが高いので単体でボスを封殺できるほどの強さだったりする。

パルによる手作業関連が進まない

特に複数の作業ができるパルで発生しやすい。パルの行動の優先順位があるようで、いくら手作業属性が高くとも、ほかの作業があると手作業は最後になってしまう。

特に無限に採集ができる「伐採場」「採石場」などの施設を作るとそちらにつきっきりになってしまいやすい。

パルがスタックして餌も食べずに飢餓になる

拠点のパルが何らかの理由で地形等にハマってしまい、放っておくと飢餓になってしまう。拠点の範囲の終わりや地形の当たり判定などが関係していると考えられる。

床抜け・壁抜け

自キャラや敵、パル、攻撃などが床抜けしたり壁抜けする。

配合が勝手に中止

配合にアサインしているパルがいつのまにか解除されており、配合が止まる。

総評:アイディアの勝利

開発元のポケットペアは、前作の「クラフトピア」の出来が個人的には今一つだったので、今作はどうだろうと思っていたのだが、予想を大きく上回る面白さを実現していて驚いた。

色々な作品から色々な要素を拝借しつつ作成されており、その点では賛否両論あるものの、ゲームのプレイフィールは面白いの一言である。

バグは少なくないことや、アーリーアクセスということもあり、どのくらいやり込むかに悩むところはあるが、プレイヤーそれぞれ目的をもって楽しめるだろう。

 

 


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