PC版ホグワーツ・レガシーを快適に遊べるスペックは「●●の有無」で変わる
2023/02/20
ハリー・ポッターの世界観を楽しめるオープンワールドRPG「ホグワーツ・レガシー」が人気です。ホグワーツ・レガシーにはPS5などの家庭用ゲーム機版もありますが、最も高画質で楽しめるのはWindows版です。
もし、PCならではの高画質な設定を楽しむのであれば、相応に高いスペックのPCが必要になります。
Contents
公式発表スペック
最低 | 推奨(高) | ULTRA | 4K ULTRA | |
OS | Windows 10(64ビット) | |||
CPU | Intel i5-6600(3.3GHz) or AMD Ryzen 5 1400(3.2GHZ) |
Intel i7-8700(3.2GHz) or AMD Ryzen 5 3600(3.6GHZ) |
Intel i7-10700K(3.80GHz) or AMD Ryzen 7 5800X(3.80GHZ) |
Intel i7-10700K(3.80GHz) or AMD Ryzen 7 5800X(3.80GHZ) |
メモリ | 16GB | 16GB | 32GB | 32GB |
GPU | NVIDIA GeForce GTX 960 4GB AMD Radeon RX 470 4GB |
NVIDIA GeForce RTX 1080 Ti AMD Radeon RX 5700 XT INTEL Arc A770 |
NVIDIA GeForce RTX 2080 Ti AMD Radeon RX 6800 XT |
NVIDIA GeForce RTX 3090 Ti AMD Radeon RX 7900 XT |
DX | DirectX 12 | |||
ストレージ | 85GB | |||
設定 | SSD(推奨) HDD(要対応) 720p/30fps 低画質設定 |
SSD 1080p/60fps 高画質設定 |
SSD 1440p/60fps ウルトラ画質設定 |
SSD 2160p/60fps ウルトラ画質設定 |
日本語版のゲーム設定に「ULTRA」という画質設定はないので、おそらく「最高」設定を指していると思います。
しかし、最高画質のその上があります。「レイトレーシング設定」です。
レイトレーシングによる反射や影の効果
PC版ホグワーツ・レガシーではレイトレーシング関連のオプションがあります。それぞれの機能をざっくり説明すると次の通りです。
- レイトレーシング反射:光の反射を計算し、鏡面反射、映り込みなどをシミュレートする
- レイトレーシングシャドウ:影の出方をリアルにする
- レイトレーシングによるアンビエントオクルージョン:影の出方をリアルにする
レイトレーシング関連オプションを全てオンにすることで、ホグワーツ・レガシーの作り込まれた景色を極限までリアルに、美しくすることができます。
例えば上図ではレイトレーシングをオンにすることによって、窓から差し込む太陽光が壁に反射したり、床が大理石のような反射質の石材で作られていることがわかります。
鏡の前に立った時も、レイトレーシングがオンであれば自分の姿が映り込みます。
ガラスなどでできたオブジェクトや金属などの反射も、レイトレをオンにすると自然な映り込みがシミュレートされます。
これらの点から、PC版のホグワーツ・レガシーの作り込まれたオブジェクトを最大限に楽しみたい場合は「レイトレーシング」をオンにしたくなると思います。
まあでもこれが重いんだよね。
レイトレーシングをオンにするとどのくらいパフォーマンスが下がるのか?
テストPCスペック
CPU | i7-13700KF |
GPU | RTX 4070 Ti |
メモリ | 16GB |
上記スペックのPCで、レイトレーシングや、負荷軽減の技術であるDLSS3を利用したテストを行いました。
ホグワーツ・レガシーにはベンチマークモードがありませんので、手動で動作確認をしなければなりません。
よくホグワーツ(学校)内部での動作テストをやっている人がいますが、屋内は軽いところなら簡単に3桁のフレームレートが出ますので、屋内計測のフレームレートを参考にするのはちょっと考えものです。
本当に重いのはホグズミードなどの屋外エリアです。
そのため、私は夕刻の「ホグズミード南部」から「ホグズミード北部」へ手動で移動するテストを行いました。ホグズミードは重いと海外でも言われており、私の中ではとりあえずここで動けばどこでも困らんという感じです。
同時刻セーブデータを読み込んで取得していますが、誤差はどうしても発生します。正確性についてはご容赦ください。
レイトレオンとオフのフレームレートの差はかなりある
最高設定 1920x1080、DLSSなしの平均fps
まずは、DLSSを使わない場合です。RTX 4070 Tiをもってしても、レイトレオンでは平均60fpsをやや超える程度でした。
RTX 4070 Tiであれば、最高画質+レイトレをオンにしたゲームプレイが可能であり、それ未満のグラボですと、レイトレをオフにしたり画質設定を下げる必要が出てくるでしょう。
レイトレオン |
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レイトレオフ |
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RTX40シリーズでDLSS3+フレーム生成を使うと軽くなる
最高設定+レイトレオン 1920x1080 DLSS3 + フレーム生成の平均fps
レイトレ+DLSS-Q+FG |
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レイトレ+DLSS-P+FG |
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RTX40シリーズで利用できるDLSS3によるアップスケーリングおよび、フレーム生成(FG)機能を使った場合です。これらはゲーム内オプションから利用できます。
DLSSとは
DLSS3はNVIDIA製のRTXシリーズのグラフィックボードでのみ利用できる、AIの力でアップスケールのように補完する技術です。
DLSSによってグラフィックボードの負荷が減り、CPUに余力がある場合はフレームレートが上がります。
DLSSクオリティ(DLSS-Q)では12801x721px(元の67%)、DLSSパフォーマンス(DLSS-P)では960x540(元の50%)となり画像が荒くなりやすいのですが、通常のゲームプレイでは画面の劣化が簡単にはわからないと思います。そのくらいDLSS3は強力になりました。
フレーム生成とは
フレーム生成(FG)はAIによってフレームを描き出すアシスタント技術です。例えるならグラボはマンガ家で、ゲーム画面というパラパラマンガを描くわけですが、AIアシがその中間コマを補足して描いてくれるので、より動きのなめらかなパラパラ漫画がつくれるわけです。RTX 40シリーズでのみサポートする機能で、DLSS3を利用時に選択できます。
DLSS3とフレーム生成を有効にした場合、DLSSなしの時の2倍以上の平均フレームレートを記録しました。DLSSクオリティとパフォーマンスでは画質の高いクオリティの方が135fpsと高く出ていますが、これはGPUに余力があるために差がつかなかったのだと思います。
DLSS3使用すれば高解像度プレイも可能
DLSSなしでは1920x1080でいっぱいいっぱいだったRTX 4070 Tiでも、DLSS3を使用することでレイトレをオンにしても高解像度でのプレイが可能になります。
ここではRTX 4090とも比較してみましょう。
最高設定 レイトレオン DLSS3 パフォーマンス + フレーム生成の平均fps
1920x1080(13700KF & RTX 4070 Ti) |
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---|---|
1920x1080(13900KF & RTX 4090) |
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2560x1440(13700KF & RTX 4070 Ti) |
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2560x1440(13900KF & RTX 4090) |
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3840x2160(13700KF & RTX 4070 Ti) |
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3840x2160(13900KF & RTX 4090) |
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RTX 4070 TiでもDLSSパフォーマンスとフレーム生成を使うことで、2560x1440まではRTX 4090との結果と比べてもなかなか張り合えているのがわかります。
しかし、4Kでは一気に値が落ちていることがわかります。RTX 4070 Tiはだいたい2560x1440までが適性という感じです。
テストをふまえてのおすすめPC
GPU性能について
以下の表はドスパラによるGPU性能評価を元にして作成しています。
ドスパラではRTX 4070 Tiの評価がまだなので、私がベンチマーク結果などから予想されるラインを入れておきました。(数字までは出せないけど)
そして、青い線は実際に私がホグワーツ・レガシーで試したグラボです。
RTX 4090 24GB |
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RTX 4080 16GB |
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RTX 4070 Ti 12GB |
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RTX 3080 10GB |
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RTX 3070 Ti 8GB |
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RTX 3060 Ti 8GB |
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RTX 3060 12GB |
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GTX 1660 SUPER 6GB |
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RX 6500 XT 4GB |
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GTX 1650 4GB |
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GT 1030 2GB |
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【RTX 4090搭載】「至高」の究極PC【4Kレイトレ】
ベストなのはもちろんハイスペック機です。
現行最高のグラフィックボードRTX 4090を搭載した、ゴリゴリのハイエンドPCです。私もi9-13900KFとRTX 4090を使っていますが、4Kモニタでのゲームプレイで別格の強さを持っています。
実はRTX 4090をもってしても、ホグワーツはレイトレオンならDLSSクオリティを入れなければ快適には動かない感じです。しかし、MODや設定ファイルをチューニングして限界まで高画質にする画質オタクの人なら正直喉から手が出るほどほしいスペックでしょう。新作が出るたびにスペックや挙動に不満を持たなくて済み、ゲームに集中できるメリットもあります。(割とデカいメリット)
そして、RTX 4090を使ってわかったのは、VRAM(ビデオメモリ)は4Kではゲーム単体で14GB程度使うということです。そして、全体で16GB弱で収まるような挙動になっているように見えました。
追記)搭載されるVRAMによって使用VRAM量は動的にコントロールされていると考えられます。Engine.iniで定義を変えると20GB以上のVRAMを利用することができました。上げ過ぎるとVRAMが枯渇した際に一瞬固まるなどが発生しました。
VRAMはグラフィックボードに搭載されたメモリで、PCのメモリとは別となり、後から増やすことができません。このため、グラフィックボード選びはとても重要です。
GPU:RTX 4090 24GB
メモリ:16GB DDR5
ストレージ:1TB(Gen4) NVMe SSD
もうちょっと安いモデルだと13700KFを積んだZA7C-R49がおすすめ。しかしそれでも50万以上というインパクトは買う人を選びまくると思います。
【RTX 4070 Ti 搭載】レイトレ時代を見据えた「フルHD最高画質」PC 【おすすめ】
GPU:RTX 4070 Ti 12GB
メモリ:16GB DDR4
ストレージ:1TB NVMe SSD
今回テストで使用した構成に近い、RTX 4070 Ti搭載のPCです。ホグワーツ・レガシーを、レイトレ有効の最高画質で楽しめる一台です。
2560x1440くらいまでの解像度であれば問題なくおすすめできます。4Kの場合はDLSS3を使っても60fpsを下回るシーンが目立ちますが、プレイできないことはないです。
30万円を切る価格ということもあってコスパも高く、おすすめです。
【RTX 4080搭載】「ハイエンド」の入り口PC【WQHD~4K】
GPU:RTX 4080 16GB
メモリ:16GB DDR4
ストレージ:1TB(Gen3) NVMe SSD
そうなるとセカンドラインのRTX 4080です。80番台のGeForceは昔からハイエンドの入り口として「70とは違うのだよ70とは」という意識の人に選ばれてきた印象です。
以前実機を触った感想だと、まさに4070 Tiと4090の間なので、正直言うとコスパ的にコメントしづらいグレードではある。
とはいえ、ホグワーツ以外にも今後このように「レイトレで4Kが重いゲーム」が続々でてくると思いますので、RTX 4080くらいのスペックがあると安心感はありますよ。
【RTX 3070 搭載】レイトレ無しの一般向けモデル
レイトレなし、あるいはレイトレの品質を下げれば、RTX 3060 TiからRTX 3080くらいまでの機種でも動作するはずです。
私は今回VRAM 8GB搭載のRTX 3070 Ti搭載PCでもテストをしましたが、1920x1080で、最高設定+DLSSパフォーマンスで60fps前後のプレイが可能でした。ゲームをプレイする上での不都合はありません。
なお、RTX 3070 Tiではゲーム内の推奨設定が「高」だったことも付け加えておきます。
ただ、RTX 3070でも約23.5万しますからね。もうちょっと頑張ってRTX 4070 Tiにするとレイトレも可能な性能になるので、そちらをおすすめしたいのが本音です。
おまけ:ホグワーツ・レガシーのゲームとしての面白さは?
最後にゲーム評価もしておきます。私はハリー・ポッターシリーズはまったく触れてこなかったのですが、ホグワーツ・レガシーはシンプルに魔法使いゲームとして楽しめます。
1800年代というハリー・ポッター原作よりも前の時代を舞台としているため、シリーズの登場人物はでてきません。本作のための全くオリジナルのストーリーであり、原作ファンでないと置いてきぼりになるようなこともありません。
魔法などは原作に忠実のようですが、それぞれの魔法についてもきちんと解説もあるので、特に困ったことはありませんでした。
私はどちらかというとSFや火薬の匂いがする世界のほうが好きなのですが、人間の想像力の限界でどこまでも演出を広げられる点は魔法世界ならではの魅力であり面白さなのだなと感じました。学校や村でも「なるほど、魔法をそう使うのか」と羨ましくなるような光景が細かく描かれています。オープンワールドをほうきにまたがって飛び回る爽快感もたまらないですね。
なお、当サイトではSteamよりもホグワーツ・レガシーを安く買える方法も紹介していますのでぜひ御覧ください。
HOGWARTS LEGACY software (C) 2023 Warner Bros. Entertainment Inc. Developed by Avalanche Software. WIZARDING WORLD and HARRY POTTER Publishing Rights (C) J.K. Rowling. PORTKEY GAMES, HOGWARTS LEGACY, WIZARDING WORLD AND HARRY POTTER characters, names and related indicia (C) and TM Warner Bros. Entertainment Inc.
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