ドスパラがRTX 5060 Ti搭載PC発売。RTX 5070とどっちがいい?
2025年4月16日、サードウェーブは、最新グラフィックボード「GeForce RTX 5060 Ti」を搭載するゲーミングPC各種を販売開始した。
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GeForce RTX 5060 Tiの基本スペック
RTX 5060 Tiは、上位製品となるRTX 5070と、下位のRTX 5060の間に位置する「60番台」のミドルクラスグラフィックボードだ。
プロセスルールは4nmから変わらないため、RTX 30シリーズとRTX 40シリーズの時のような、「全く違う世代のモデル」とは言えない。
ただし、メモリがGDDR7に刷新されており、バス幅が128bitと同一ながら、帯域幅が288GB/s→448GB/sと大幅に向上している点はポイントになる。
特に大規模なテクスチャを使うゲームや、AIなどのGPU処理において、ここは効いてくるポイントになると思われる。NVIDIAがAI性能を示す「AI TOPS」の値も、353から759に上昇している。
その他の部分を見ると、CUDAコア数が5%増えて、DLSS4に対応したことがポイントになる。DLSS4はRTX 40シリーズでも多くの機能が利用できるが、マルチフレーム生成などの一分技術はRTX 50シリーズ専用とされている。
RTX 5070と比較するとさすがに「格」が違うので、RTX 5060 Tiの16GBと、RTX 5070の価格や、主な用途によって適したグラフィックボードが変わってくるだろう。
GPU名 | RTX 5070 | RTX 5060 Ti | RTX 4060 Ti |
---|---|---|---|
アーキテクチャ | Blackwell | Blackwell | Ada Lovelace |
プロセス | 4nm 4N | 4nm 4N | 4nm 4N |
CUDAコア数 | 6,144 | 4,608 | 4,352 |
AI TOPS | 988 | 759 | 353 |
ベースクロック | 2.16GHz | 2.41GHz | 2.31GHz |
ブーストクロック | 2.51GHz | 2.57GHz | 2.54GHz |
メモリサイズ | GDDR7 12GB |
GDDR7 16GB/8GB |
GDDR6 16GB/8GB |
メモリバス幅 | 192bit | 128bit | 128bit |
メモリ帯域幅 | 672GB/s | 448GB/s | 288GB/s |
RTコア | 第4世代 80コア |
第4世代 48コア |
第3世代 48コア |
Tensorコア | 第5世代 192コア |
第5世代 144コア |
第4世代 136コア |
DLSS | DLSS 4 | DLSS 4 | DLSS 3 |
NVENC | 第9世代×1 | 第9世代×1 | 第8世代×1 |
NVDEC | 第6世代×1 | 第6世代×1 | 第5世代×1 |
カード電力 (W) | 250 | 180 | 165/160 |
システム電力要件 (W) | 650 | 600 | 550 |
RTX 3060 Tiから買い替えるならアリ
4GamerやASCII、マイナビ+Digitalでは「RTX 5060 Ti 16GB」のレビュー記事を公開しているが、記事では2世代前のRTX 3060 Tiなども持ち出してきて比較している。
結論からすると、RTX 5060 TiはRTX 4060 Tiから飛躍的に性能向上したような製品ではないが、RTX 3060より以前のシリーズを使っていた人なら、性能差や進化を感じられる製品になっているようだ。
ただメディアによるテストでは、RTX 4060 Tiは16GBではなく8GB版、RTX 3060 Tiも12GB版ではなく8GB版を利用していることに注意が必要だ。いずれのメディアでも同一のため、おそらくNVIDIAから「この環境で」と指定があったのではないだろうか。
つまり、VRAM溢れが懸念されるような状況(4Kや最近の高VRAM使用ゲーム)でのパフォーマンスにおいては、上位VRAM版よりも劣る結果になっていて、より差が出ているのでは?という疑念が残る。特に、VRAM量がアウトプットに大きく影響するAI関連テストではその傾向が強いと考えられる。RTX 4060 Ti 16GBと比べてAI処理が良くなったのかは上記メディアレビューからはわからない。
RTX 5060 Tiの魅力
- DLSS Multi Frame Generation(マルチフレーム生成):映像を補間して滑らかに見せる技術。新たに「マルチフレーム生成に対応」し、3倍以上のフレームレート向上を目指せる
- RTコアの増量:レイトレーシング性能がアップ
- AI TOPSの増加:AI処理力がアップしたとされる
- メモリバス帯域幅の増加:バス幅128bitながら、GDDR6からGDDR7になって帯域幅は増加
- 上位版のメモリ容量の増加:RTX3060は12GBまでだったが、RTX 5060 Tiは16GB版がある。これはRTX 5070の12GBよりも多い
RTX 5060 Tiの惜しいところ
- ハードウェア性能の上昇はそこそこ:RTX 4060 Tiから買い替えるほどではない
- メモリ容量はRTX 4060 Tiと同じ:RTX 4060 Tiにも16GB/8GBがある
- 実売価格:RTX 5070と迷うところ
RTX 5070とRTX 5060 Tiどちらが良い?
RTX 5060 TiにはVRAM(ビデオメモリ)別に、16GB版と8GB版がある。コスパを考えると、RTX 5060 Ti 16GBは、RTX 5070 12GBとそこまで実売価格差がない場合がある。
ゲーム中心:RTX 5070 12GB
個人的には、快適にゲームをする用途ならRTX 5070 12GBで良いと思う。
10GB前後のVRAMを使う程度のゲームプレイでも大きく性能が異なるからだ。
AI処理などのVRAM至上主義:RTX 5060 Ti 16GB
RTX 5060 Ti 16GBは、グラボの処理力的には、4Kでリアルタイムにハイグラフィックスなゲームをやる用途としては向かず、RTX 5070の方が向いている。
一方で、ローカルの生成AIなどは、VRAM至上主義だったりする。
というのも「12GBでできなかった処理が16GBで可能になる」というメリットがあるからだ。そもそもVRAM不足で動かせないのでは、AI用途としては本末転倒だ。
というわけで、「軽くゲームをしつつ、どちらかというとAIを学んでみたい」といった用途であれば、RTX 5060 Ti "16GB"を選ぶことになるだろう。
また、最近ではローカルAIをゲーム動作に含むゲームも出てきた。この点では選択肢になるだろう。
もちろん、上位のRTX 5070 Ti 16GBなどを購入できるなら、そちらのほうがAIの処理速度も早い。
軽いゲームしかやらん!:RTX 5060 Ti 8GB
重いゲームもやらないしAIもやらない人は、8GBモデルでも足りるだろう。
コスパ重視のおすすめPCはこれだ!
※価格等は執筆時点(2025/4/17)です
RTX 5060 Ti 16GB 搭載モデル
Magnate-G MV-TiW RTX5060Ti 16GB搭載
- CPU:Core i5-14400F
- GPU:GeForce RTX 5060 Ti 16GB
- メモリ:16GB
- SSD:500GB
- 価格:184,980円~
RTX 5060 Tiを狙うユーザー層からすると、20万円以下で揃えたいのではないだろうか。となると、Core i5を採用するこちらのPC。
カスタムとして、SSDを1TBに、メモリを32GBにして204,880円だった。
RTX 5070 12GB 搭載モデル
Lightning-G AF7W Ryzen7 7700搭載
- CPU:Ryzen 7 7700
- GPU:GeForce RTX 5070 12GB
- メモリ:16GB
- SSD:500GB
- 価格:199,980円~
同じく20万円くらいでRTX 5070を搭載するモデル。ゲーム中心で性能重視ならこちらの方がおすすめ。SSD 1TB、メモリ32GBにカスタムして219,880円だった。
ケースレビュー
上記2種と同型のケースを使ったPCを以前レビューしている。サイドパネルが透明なので、LEDファンにカスタムオーダーすることで個性を演出できる。
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