【黒い砂漠】クライアントサイズをどうやって減らしたのかについての噂

2017/12/17

黒い砂漠はアップデートに伴い、クライアントサイズを大幅に減らす試みを行った。52GB以上あったクライアントサイズは、28GB程度まで抑えられた。

普通のユーザーからすればゲームが軽くなった！ということで喜ばしい案件である。しかし、ベテランのPCゲーマーとしてはこの点は非常に気になるだろう。

「その中で何が削減されたのか？」これが問題だからである。そもそも必要だから大容量のサイズがあった。それを何もロスせず半分にできる道理がないのだ。

ファイルサイズは動作コストではあるが、ゲームグラフィックスの可能性そのものでもある。むやみやたらと削って良いものではない。

そこで「海外のその筋の人」に何が変わったのかについて聞いてみた。

Contents

最適化が行われている部分
まとめ

最適化が行われている部分

「スキルガイドムービー」

スキルのツールチップのムービーの解像度が抑えられ、ムービー自体のフレームレート(fps)も低下した。ファイルサイズ的には1/3くらいには落ちているはずだという。

これは実際ゲームで見てみるとわかる。fpsが落ちたので若干見づらいが、これはまさに「クライアント最適化」である。小さなウインドウで表示するものに大きな縦横ピクセルは必要ないし、最低限の情報がわかれば良い。

知識アイコンなど

知識で表示されるアイコンなどのサイズも圧縮率を上げたのか、サイズが削減されたようだ。これも特に言われなければ気づかないポイントだ。

テクスチャサイズ

さて、問題はここからだ。実は、キャラクター関連のテクスチャのサイズが全体的に縮小されているらしい。

「ノーマルマップ」参考資料：docs.unity3d.com　より

具体的にはノーマルマップというやつで、凹凸や溝、傷などを表現するためのファイルとなる。これがもともと1024x1024pxだったものが、768x768pxへと小さくなったそうだ。

つまり「凹凸の表現が若干曖昧になった」ということだ。しかしそのおかげでノーマルマップファイルごとのサイズ＝VRAM使用量も半分となっている。1つがわずか600KBほどの違いだとしても、100名集まれば60MBの違い。そして、キャラクタのあらゆる部分にこれが適用されているとしたら、GPU負荷の低減効果はかなりのものだ。負荷低減に伴うクライアントサイドのfps上昇効果は大きいと考えられる。

ただし、凸凹などが曖昧になったということは、衣装の柄やディテールのクォリティダウンを意味している。小さな点は潰れてしまうので、クローズアップしてSSを撮った時に見栄えが違うということは十分考えられる。

まとめ

…といった話を聞いた。本来覗き知ることの出来ないゲーム内部の話なので証拠は出せないし「そういう噂だ」くらいで勘弁していただきたい。

また、個人的にはこのテクスチャ削減が事実だとして、ある程度致し方ない部分として捉えている。

現状の黒い砂漠では大人数コンテンツを動作させることに挑戦している真っ最中だ。また、PCゲームはエントリーモデルからハイスペックマシンまでさまざまな環境でプレイできるべきであり、「クォリティよりもパフォーマンス」ということで、まずは大人数が集まっても快適に動くことを優先したい気持ちはわかる。(欲を言えばハイスペック用の重量級テクスチャは別に置いて欲しい)

おそらく最適化の最たる動機づけは海洋ボス「ベル」の大失敗だ。もちろんサーバーの脆弱性もあれど、プレイヤーサイドの環境としても、ゲームが要求するレベルに追いつかなかった人は多いだろう。

ただ、当記事ほど詳細でないとしても、Pearl Abyssおよび各国運営会社は「グラフィックスクォリティの低下の可能性」については事前に通知すべきだとは思う。ある日突然「課金したアバター」が劣化していたらびっくりするし不審に思う。しかし「ゲームのパフォーマンスを維持するために仕方がなかった」ということであれば、顧客とて納得してくれると思うのだ。

とかく、最近のPearl Abyssは隠し事が多く、ユーザーによって暴かれて渋々公開するという事案が多い。個人的には開発力も高いと評価しておりゲーム性も良いだけに、説明不足の点だけが惜しまれる。日本運営も頑張って欲しい。

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