Windows11のVBSオン・オフによるゲーム性能の差
Windows11で、VBS(Virtualization Based Security)というセキュリティ機能をオンにするとゲーム性能が下がるという話。
実際にどの程度の変化があるのかを試してみました。
Contents
VBS(Virtualization Based Security)とは何か?
Windows11で「コア分離」という機能名で搭載されるセキュリティ機能です。
仮想化ベースのセキュリティ (VBS) では、ハードウェア仮想化機能を使用して、セキュリティで保護されたメモリ領域が作成され、通常のオペレーティング システムから分離されます。 Windows では、この "仮想セキュリティ モード" を使用して、多数のセキュリティ ソリューションがホストされ、オペレーティング システムの脆弱性からの保護を大幅に強化し、保護を破ろうとする悪意のある悪用を防止できます。
そして、VBSがオンかつ、VBSの機能のひとつである「メモリ整合性」ことHVCI(Hypervisor-Enforced Code Integrity)がオンになっていると、ゲームパフォーマンスが落ちるらしい…という話でした。
つまりこの状態です。この状態だとゲーム性能が落ちるらしい。PC Gamerが2021年秋に報じた内容によると25%性能ダウンすることもあるとか。
そこで気になるのが「そんなに性能落ちるの?」ということだと思うんです。25%も性能が下がったら、グラボのグレードが違うに等しいレベルですからね。
本件については、2021年末にPC Watchさんが機能解説とテストをされており、Time Spyのベンチマークでほとんど差が出ていませんでした。
では、実際のゲームではどうなのか?気になりますよね。
そこで今回、Windows11搭載の最新のGALLERIAで「VBSオフ」と「VBS+HVCIオン(以下VBSオン)」でどのくらいゲームパフォーマンスが違うのか試してみたわけです。
テスト環境
今回利用したのはサードウェーブさんにお借りしたGALLERIA ZA7C-R37Tです。i7-12700K & RTX 3070 Tiを搭載した、上位ライン「Zシリーズ」のマシンです。
GPU:RTX 3070 Ti 8GB
メモリ:16GB DDR4
ストレージ:1TB NVMe SSD
テスト機のスペックは以下のとおりです。テストは室温26℃で行いました。
パーツ等 | 標準構成 |
CPU | インテル Core i7-12700K (3.60GHz-4.70GHz/12コア/20スレッド) |
グラフィック | NVIDIA GeForce RTX 3070 Ti 8GB GDDR6X |
メモリ | 16GB DDR4 SDRAM (PC4-25600/8GBx2/2チャネル) |
SSD | Phison PS5012-E12S-1T 1TB NVMe SSD (Read:3500MB/s) |
マザーボード | ASUS PRIME Z690-P D4 |
GPUドライバ | GeForce Game Ready Driver 512.59 |
OS | Windows 11 Pro 64bit Ver 21H2 (Build 22000.613) * |
*レンタル機材の関係で、OSがHomeではなくProになっている点が販売製品と異なります。
【CPUベンチ】Cinebench r23
それではテスト結果を見ていきましょう。赤いバーがVBSオンです。
まずはCPU性能のチェックでよく使われるCinebench r23の結果から。10分間のテストでは、ほとんど差が付きませんでした。
【DX12/DX11/DXR】3DMARK
3DMarkの結果です。DX12/DXRはVBSオンが若干上回っていますが、値的には誤差の範疇だと思います。DX11は2%弱の差がついて、VBSオンの方が上回っています。
この後はゲームのベンチマークなどになりますが、だいたいVBSオフの方が少しだけ上回っています。
【DX11】Final Fantasy XIV 暁のフィナーレベンチマーク
FF14暁ベンチの平均フレームレートです。
【DX12】Forza Horizon 5
DX12タイトルであるForza Horizon 5のベンチマーク機能。エクストリーム設定の「達成済みfps」の値です。
【VULKAN】Red Dead Redemption 2
Red Dead Redemption 2の内蔵ベンチマーク機能の平均フレームレートです。VULKAN APIで描画しています。
【DXR】サイバーパンク2077 ベンチマーク
2022年も相変わらず重いサイバーパンク2077。アプデでベンチマーク機能がつきました。レビュワーとしてはありがたい。
レイトレーシングをオンにした「RT:ウルトラ」設定をベースに、DLSSパフォーマンスをオンにしたベンチマークテストです。
【DX12】エルデンリング
人気のエルデンリング。エレの教会の北で一定の動きをするテストです。
60fpsがゲームの上限です。手作業なのでテスト精度はベンチより落ちます。
【DX11】Apex Legends
Apex Legendsは画質を最高設定にしつつ、描画負荷の高いテルミットグレネードを10発投げて燃えきるまでをテスト。手作業なのでテスト精度はベンチより落ちます。
結論:VBSオフの方がちょっとパフォーマンスが良い
ご覧のとおり、だいたいのテストでVBSのオフの方が結果が良かったです。旧CPUやスペック低めのマシンだと、Windows11のVBSによる負荷が大きくなり、より大きな差が出る可能性があるかもしれません。
サードウェーブさんによると、ゲーミングPC「GALLERIA」は「VBSオフ」で出荷されているとのこと。買ってからVBS設定をすることなく、すぐに最高のパフォーマンスでゲームを楽しむことが出来ます。
GPU:RTX 3070 Ti 8GB
メモリ:16GB DDR4
ストレージ:1TB NVMe SSD
また、今回テストに用いたGALLERIA ZA7C-R37TではVBSオン・オフを問わず安定して高い性能を発揮することが出来ました。
セキュリティ面を重視してVBSをオンにして使いたい方も、最新のGALLERIAなら安心して使えると思います。
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