「Lightning-G AF7W Ryzen7 7700搭載」レビュー。RTX 5070搭載のユーザー高評価PC
ドスパラを運営する株式会社サードウェーブより、ゲーミングPC「Lightning-G AF7W Ryzen7 7700搭載」をお借りしたのでレビューしていく。
8コア16スレッドCPU「Ryzen 7 7700」と、最新の中堅グラフィックボード「GeForce RTX 5070 12GB」を搭載するコスパ重視のPCとなっている。
結論から言うと、このPCは以下の3点がポイントだ。
- ユーザー評価が★4.75と高い(2025/6/1時点、5点満点中)
- 価格重視ながら高いゲームパフォーマンスを発揮する
- 動作音はやや大きいものの、ファンコントロールソフトでの静音化の余地はありそう
Contents
強化ガラスパネル採用。内部がよく見えつつもシンプルなデザイン
Lightning-Gは「コストパフォーマンスを重視したモデル」で、同社のゲーミングPC「GALLERIA」よりはカジュアルな利用者に向くモデルだ。
強化ガラスのサイドパネルから内部はかなりはっきり見えるので、PC初心者の方でもファンなどがきちんと動作しているかを確認できる。ユーザーレビューでは「掃除のタイミングの参考になりそう」という意見もあって、その通りだと思う。
今回お借りしたのは標準モデルであり、LEDパーツは利用されていないが、オプションでLEDファンやメモリ、簡易水冷CPUクーラーなど「映える」ビジュアルにアップグレードすることも可能だ。

「LEDカスタム」を施したLightning-G (旧機種のレビューより)
ケース正面は下部にTHIRDWAVEのメーカーロゴがあるのみ。シンプルで清潔感があり、加湿器や空気清浄機のような"白物家電感"がある。
逆サイドもシンプルなデザインとなっている。
防塵フィルター関連
PC前方から吸気し、後ろと天面から排気する設計だ。
前方の両サイドの空気の取入口はメッシュ状になっていて、ホコリの侵入を防ぐ。
ケーストップには、マグネット式のフィルターを設置。素手で簡単に取り外して清掃ができる点は、同社のGALLERIAのネジ止めよりも手軽だ。
フィルターの下には120mmケースファンが2基取り付けられており、温められた内部の空気を排気する。
ケース底面には、電源用の空気取り入れ口があり、そちらもフィルターが設置してある。こちらはマグネットではなく、8箇所のツメでフィルターを引っ掛けている形だが、これは正解だと思った。底部フィルターがマグネットだと、PCの底部を持った時や何かに擦れた時にズルっとズレてしまうことがあるのだが、これならズレにくい。
ツメの位置もよく出来ていて、フィルターを少したわませれば取り外せるようになっている。
スイッチ・外部接続インターフェース
ケース上面前方に電源スイッチやUSBポート、マイク・ヘッドフォン入出力の共用端子(4極ジャック・CTIA)が並ぶ。USBポートはUSB 3.2 Gen1 Type-Aが2つとなっている。
背面の端子類は、搭載されるマザーボードに依存する。
今回レビューするLightning-G AF7W Ryzen7 7700搭載では、AMD A620 チップセットを搭載するMicro-ATXマザーボード「ASRock A620M TW」を搭載していた。ASRockによる、サードウェーブ向けの製品だ。USBポートは、USB2.0 Type-Aが上段に2つ、下段にUSB 3.2 Gen1 Type-Aが2つとなっている。USB Type-CやUSB3.2 Gen2ポートを搭載しないことでコストカットをしているようだ。
また、CPUからの映像出力のためのDisplayPort、HDMIポートも搭載するが、グラフィックボードからのポート(DisplayPort x3 HDMI x1)があるため、「使用不可」のシールで塞がれているなど親切だ。PCとモニタの接続は下部のグラフィックボードのポートから行おう。

モニタとの接続は、こちらのグラフィックボードのポートで
レビュー機スペック
Lightning-Gシリーズも搭載するCPU/GPUによって様々な機種があるが、今回レビューする「Lightning-G AF7W Ryzen7 7700搭載」は、コストパフォーマンスに優れる「Ryzen 7 7700」と、「GeForce RTX 5070 12GB」を搭載したモデルとなる。
搭載パーツ | 当サイトによる一言評価 | |
ケース | X3-03 WH ミニタワーケース | ガラスサイドパネル採用で現代的 |
ケースファン | 12cm ファン x5 (フロントx2, トップx2, リアx1) |
ARGBの光るファンにカスタム可 |
マザーボード | ASRock A620M TW | コスパ重視のエントリーモデル(Micro-ATX) |
CPU | AMD Ryzen 7 7700 (8コア16スレッド) |
コスパ重視のCPU |
CPUクーラー | (空冷式) 12cmサイドフロー 大型CPUファン |
7700には十分な性能 ケースファンを変更で 水冷式にアップグレード可 |
GPU | GeForce RTX 5070 12GB | 2560x1440(WQHD)くらいまでを 得意とするグラフィックボード |
メモリ | 16GB (8GBx2) (DDR5-4800) |
容量は32GBにアップグレードがおすすめ |
SSD | 500GB SSD (M.2 NVMe Gen4) |
1TB以上にアップグレードがおすすめ |
電源 | 750W 電源 (80PLUS GOLD) |
容量は問題なし |
※2025/6/1 レビュー時点での情報です。最新の情報は公式ページよりご確認ください。
ケース内部
リアのネジを外せばサイドパネルが開けられる。搭載パーツを詳しくチェックしていこう。
マザーボード
マザーボードは、Micro-ATXの「ASRock A620M TW」を搭載している。ASRockによるサードウェーブ製品向けのOEMモデルと思われる。
A620はエントリーグレードで、自動オーバークロックであるPrecision Boost Overdrive(PBO)に非対応など、上位のB650から一部機能がオミットされているが、一般的な使用下でその差を感じることはほぼないだろう。
CPUファン(CPUクーラー)
標準搭載のCPUファンは、120mmのサイドフロータイプの空冷ファンだ。先述の通り、当機は自動オーバークロックのPBOに対応せず、CPU自体もTDP 65Wと省エネであるため、CPUクーラーの要件はそこまで高くない。だが、少しカスタマイズ費を出しても良い方は、より高い冷却力を持つ簡易水冷クーラーもおすすめだ。
水冷クーラーはケーストップに装着されるため、まず「ケースファン」を「※水冷式CPUファン選択用のカスタムです」と書かれているもの(トップのケースファンがないオプション)に変更する必要がある。
続いて、CPUファン項目から(水冷式)のCPUクーラーを選ぶ。LEDで光るタイプが良いならPCCOOLERの製品を、冷却力重視ならASETEKの製品が良いだろう。
メモリ
メモリはDDR5-4800 16GB(8GBx2)が標準搭載される。
容量としては、32GBくらいあると、ゲームをプレイしつつブラウザで調べ物…といった余裕が出るのでおすすめだ。ただ、今回のテストではすべてのゲームで16GBで問題なく動作していた。
グラフィックボード
レビュー機のグラフィックボードは、MSI製のGeForce RTX 5070 12GBが搭載されていた。
電源の配線はこのような感じ。NVIDIAの純正品と思われるゴツめ電源分岐ケーブルがついていたが、サイドパネルが閉まらないなどの問題はなかった。
M.2 NVMe SSD
M.2 ARMORの下にM.2 NVMe SSDが搭載されている。レビュー機ではMicron製のSSDが搭載されていた。ヒートシンクも搭載されている。
CrystalDiskMarkによれば、速度はシーケンシャル Read 6700MB/s、Write 3600MB/sを出している。Gen4としてはそれなりに良い速度だ。
SSD容量は500GBと、2024年現在のゲーミングPCとしてはエントリークラス。色々なゲームを並行してプレイする人なら、1TB(約1000GB)以上はほしいところ。2TBあってもいいと思う。
また、SSD 2の項目では、2つめのM.2 NVMe SSDを追加できる。1つめをOS用にして、ゲーム用をSSD 2にする、というのもアリ。
2.5インチSATA SSD/3.5インチHDD
M.2以外のストレージ関連は裏面側だ。
SATA SSDやハードディスクは、「ハードディスク / SSD」からいずれか1台のみ追加注文できる。
実は、ケースには2.5インチ/3.5インチストレージマウントが可能なポイントが5箇所もあるのだが、追加注文した2.5インチあるいは3.5インチのストレージは、下図の「ドスパラ使用」とした位置に1台搭載される。
ケースの詳細は公式のガイドがあるので、そちらもご覧いただきたい。
THIRDWAVE PC X3-03 ケースと RGB-LED ライトの調整方法 | ドスパラ サポートFAQ よくあるご質問
ドスパラでは左下のこの位置に追加ドライブを設置する。枠の中は3.5インチ、枠の上に2.5インチまたは3.5インチのドライブが設置できる。
ガイドに載っていなかった情報として、右下の電源の上部分に2.5インチ用のマウント穴が空けられている。
サードウェーブによると、「防振ゴムブッシュを追加すれば、2.5インチドライブが設置できる」とのことだ。ただ、ドスパラでの提供はしていないので、こちらにドライブを追加したい場合はユーザーの自己責任での対応になるとのこと。
電源
電源は標準で750Wのものが搭載される。
消費電力的には、高負荷ゲーム中でもマシントータルで400W行かないくらいなので、標準の750Wで十分だ。
こだわりがある場合は、電源をカスタムできる。
ベンチマーク
【CPU】Cinebench r23 マルチスレッドテスト
Ryzen 7 7700は、8コア16スレッドのCPUで、マルチスレッド性能はそこそこ。
とはいえ、旧世代の5700Xなどにくらべれば高いスコアを持っているし、動画編集などでも問題ないスペックだ。それらは後ほどチェックしていこう。
i9-13900K |
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Ryzen 9 7950X3D |
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i7-14700KF |
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i7-14700F |
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Ryzen 7 7700 (Lightning-G AF7W) |
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Ryzen 7 7800X3D |
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Ryzen 5 7500F |
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Ryzen 7 5700X |
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i5-13400F |
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Ryzen 5 5600X |
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【CPU】Cinebench r23 シングルスレッドテスト
ゲームで重要となるシングルスレッドは、上位CPUと比べても結構健闘している感じ。
i9-13900K |
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i7-14700KF |
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Ryzen 9 7950X |
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i7-14700F |
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Ryzen 7 7700 (Lightning-G AF7W) |
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Ryzen 7 7800X3D |
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Ryzen 5 7500F |
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i5-13400F |
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Ryzen 7 5700X |
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Ryzen 5 5600X |
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【総合】Passmark
PassMarkは、CPU、グラフィックス、メモリ、ディスクなど、システム全体のパフォーマンスを包括的に測定できるソフトウェアだ。
当機は98パーセンタイル、つまり「世界の98%のシステムより優れている」との結果を出した。
CPU、2D、3D、メモリ、SSDの評価は以下の通り。特に3Dグラフィックス性能の高さが際立っている。つまり、RTX 5070の3Dグラフィックス性能が高く評価されたと言えそうだ。
最も低いのはメモリ性能だが、この点は先述の通り、BTOとして安定性を重視しているため、OCメモリなどに負けるからであろう。
項目 | スコア | パーセンタイル |
CPU Mark | 34571.2 | 90% |
2D Graphics | 1343.7 | 94% |
3D Graphics | 35099.0 | 98% |
Memory | 3078.6 | 67% |
Disk | 38955.7 | 93% |
【総合】Adobe Premiere Pro 4Kエンコードテスト
YouTuberなどにも多く使われる動画編集ソフト「Adobe Premiere Pro CC 2025(v25.2.3)」を使い、ゲーム動画編集後の書き出し時間をテストした。
- ソースは約10分の3840x2160(4K) 60fps映像
- テロップとディゾルブ、Lumetriカラーを適用
- NVENCによるGPUエンコード支援あり
- 「H.264 YouTube 2160p 4K Ultra HD」プリセットで書き出し
なお、結果は機種ごとのPremiere Proのバージョンに違いがあるので、厳密な比較ではない点はご容赦いただきたい。v23.0が古くなってDLできなくなったので、新しいバージョンでデータを取り始めた形だ。そのぶん、リアルな値が取れていると思う。
当機のテストでは、第9世代となったNVENCやPremiere Proのバージョンアップのおかげもあるのか、書き出しの所要時間はかなり早かった。
動画書き出し所要時間 (短い方が良い)
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Lightning-G AF7W(7700) |
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ゲームパフォーマンス
ここからは各ゲームのパフォーマンスをCapFrameXを使ってチェックしていく。
こちらも先に概要をまとめておこう。
- Ryzen 7 7700で「ゲームプレイに不足」と感じることはほとんどない
- RTX 5070は2560x1440くらいまでの解像度が実用域
- VRAM8GB以上を使うゲームが少なくなく、RTX 5070のVRAM 12GBは安心感がある
テストや用語、簡易評価について
フレームレート (fps)
ゲームにおいて、1秒あたりに表示できる静止画(frame)の枚数を「フレームレート」と言う。
フレームレートが高いほど、キャラクターの動きは細かく、滑らかに表示できる。単位は「fps(frames per second)」で示す。
アクションゲームやシューティングゲームなどでは勝ち負けにかかわるので、ゲーミングPCとしてどのくらいフレームレートが出せるのかが重要だ。
そこで、今回のテストでは解像度ごとに2つのフレームレートを測定した。
- 平均fps:テスト中のフレームレート平均値。
- 1% Low:悪い結果の平均値。ゲームテスト中の下位1%のフレームレート。
滑らかな映像体験には平均60fpsが目安となる。「60fps張り付き」などのシビアな要件で見るなら、1% Lowなども60fps以上ほしいところだ。
5段階★評価について
レビュワーの主観にはなるが、初心者にもわかりやすいよう、ゲームごとの★5段階の満足度評価もつけることにした。
基準としては、搭載するグラフィックボードのレベルに応じての満足度となる。
たとえば、RTX 5070であればNVIDIAが2560x1440での性能を発表しているため、「高画質で2560x1440が動けば満足」という感じだ。
- ★★★★★:非常に快適。ゲームや一般的な設定に対して性能が十分だと感じられる。
- ★★★★☆:快適。一部画質設定等を妥協する必要があるが、十分にゲーミングPCらしい体験ができる。
- ★★★☆☆:普通。設定の妥協などを求められるが、そのゲームを楽しめる。
- ★★☆☆☆:やや不満。あまり快適ではなく、できれば上位のPCがほしいと感じる。
- ★☆☆☆☆:不満。PCの能力がゲームに対して明らかに不足しており、プレイそのものができない。
VRAM量
最近のゲームではビデオメモリ(VRAM)の使用量が注目されるので、ゲームと設定ごとのVRAMの最大使用量も測定した。
CPU/GPUボトルネック
CPUとGPUのどちらがボトルネックになるか(先に性能限界に至るか)もログから分析し、目安として解像度ごとに掲載している。(GPU使用率75%が閾値)
ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー ベンチマーク ★★★★★
まずは中量級ゲームであるFF14ベンチマークをチェックしてみた。最高設定で、DLSSなどは使用しない状態でのテストになる。
2560x1440の解像度あたりが、画質と負荷的に美味しい感じである。
黒い砂漠 ★★★★★
リマスターモードで、エルビアサウニールでの狩りをテスト。
FF14同様、2560x1440でのプレイが向いている。4Kもソロ狩りできる程度には動く。
VALORANT ★★★★★
VALORANTはフレームレートが重要な競技系軽量シュータータイトルだ。非常にシビアなゲームのため、画質設定を落とした「競技系の設定」にてテストを行った。
画質を落としているのでCPUの限界でフレームレートが決まる。基本的に1920x1080でしかプレイしないゲームだとは思うが、240Hzモニタなどを十分に使えるパフォーマンスだ。
Apex Legends ★★★★★
Apex Legendsも競技設定で、射撃訓練場にて描画負荷の高いテルミットグレネードを10発投げ、エフェクトが消えきるまでを測定した。
上限300fpsのタイトルだが、1920x1080は問題なく平均299fpsを記録している。144Hz~240Hzのモニタが向きそうだ。2560x1440以上になると画質を落とした競技設定でもGPU使用率が高くなってくる。
モンスターハンターワイルズ:★★★★☆
モンスターハンターワイルズは、2025年を代表する重さのアクションゲームタイトルである。
公式ベンチマークを利用し、ウルトラ設定をベースに、DLSSアップスケーリングモードを「パフォーマンス」、テクスチャ高、フレーム生成オンに設定してテストを行った。大体このくらいの設定が当機でちょうどよい設定だったため。テクスチャ「高」でもVRAMを10GB以上使うので、DLCのテクスチャ「最高」は利用しないほうが良い。
実ゲームでは、他のプレイヤーが多く集まる大集会所でも、フレーム生成込みで4Kで70fps台を出すことができた。操作感(レスポンス)重視であれば、1920x1080で、フレーム生成オフ&レイトレオフのウルトラ~高設定あたりにする選択肢もある。
The Elder Scrolls IV: Oblivion Remastered ★★★★★
オープンワールドRPGの名作「オブリビオン」のUnreal Engine 5リマスター版。
品質レベル「最高」かつ、LumenハードウェアRTをオン&ライティングモード最高にし、アドバンスド設定でDLSSパフォーマンス、フレーム生成オンにした状態で、オープンワールド上の雑木林(グレートフォレスト)の水辺を散策してテストした。レイトレーシングなどが効きやすいシチュエーションだ。
フレーム生成のおかげで平均フレームレートは高いが、下位1%はだいぶ重いことがわかる。4Kでも遊べそうだが、LumenハードウェアRTなどを中心に、プレイのフィーリングに応じて画質調整がおすすめ。
サイバーパンク2077 ★★★★★
サイバーパンク2077の内蔵ベンチマーク機能でテスト。非常に重いレイトレーシング設定(=パストレーシング)である「RT:オーバードライブ」をDLSSパフォーマンス設定&フレーム生成なしで動作させる。
フレーム生成なしだと実用解像度は2560x1440までという印象だ。3840x2160では平均38fpsとなり、30fps級のゲームプレイとなる。
RTX 50シリーズに対応するマルチフレーム生成(MFG)の4x設定も試してみよう。
この設定だと、3840x2160でも120fpsに届きそうだ。とはいえ、実際の操作感としてはフレーム生成前の操作感のままなので、38fpsで操作している感じに近い。町中の散策くらいであれば十分だが、近接戦闘などをする場合は画質設定をちょっと下げるなどが必要だろう。2560x1440以下であれば、操作感の違和感は少ない。
inZOI ★★★★★
ライフシミュレーションゲームの「inZOI」では、実験機能である「スマートZoi」をオンにして、NVIDIA ACE(ローカルAI)によるキャラクターの言動の生成込みの動作をテストした。測定場所はブリスベイビーチバレーコートで複数のNPCがいる状況だ。
1920x1080はGPUに余裕があったので、より美しいDLAAに設定、他の解像度はDLSSパフォーマンスで測定している。キャラを眺めるゲームであるため、ゲーム的に高いフレームレートは求められない。いずれの解像度でも快適にプレイができそうだった。
Cities: Skylines II ★★★★☆
都市開発シミュレーションゲームで、CPU&GPU要件ともになかなかキツい。
今回は13万人まで育てた都市で、シミュレーションスピードを最大にした際のフレームレートをチェックした。
画質「高」プリセットでも、2560x1440まではCPUのボトルネックが強く出る。ただ、30fpsはでているためシミュレーションゲームとしてのプレイ自体には問題はない。
画質設定を最低に下げると、フレームレートが改善する。
Clair Obscur: Expedition 33 ★★★★★
フランスで作られた本年話題のターン制RPG。グラフィッククオリティが非常に高いのが特徴だが、戦闘ではQTEのようなジャストタイミングの反応が必要なため、ある程度フレームレートが欲しい。
最高画質のエピック設定にDLSSクオリティを設定し、ルミエールの大人数のNPCがいる円形広場をぐるっと一周した際のフレームレートを測定した。
今回のテストの中で最もグラボを使い切れたゲームである。QTEゲームなので、エピック設定だと1920x1080~2560x1440でのプレイが良さそうだ。
JDM: Japanese Drift Master ★★★★★
非常に日本的な風景「群玉県」を日本車でドリフトして遊べるレースゲーム。Unreal Engine 5を利用しており、結構重い。ウルトラ設定をベースに、DLSSはパフォーマンスを設定、フレーム生成をオンにして湖の周りを走ってみた。
DLSSパフォーマンスを設定しても1920x1080でもグラボがネックになるくらいにはグラフィックに凝った作品。2560x1440くらいまでなら快適に遊べそうだ。
OBSによるゲーム配信テスト
OBS Studioを利用してのゲーム配信のテストを行った。
内容としては、サイバーパンク2077にて、高画質な「RT:ウルトラ」設定で1920x1080のベンチマークテストを行いつつマイクで喋るというもの。
VTuberのようにキャラクターを表示させられるVTube Studioも併用した。
音声にはオーディオインターフェースのYAMAHA AG03MK2を利用。 マイクのノイズカットにはNVIDIA Broadcastを利用した。
YouTube向けに10Mbpsで、AV1形式を利用した1920x1080/60fpsの配信テストを行った。
テスト結果
PC1台で快適なゲーム配信が可能だった。VTuberのようにキャラクターを表示しつつ、高画質なゲームプレイを届けられる。
ドロップフレーム(処理しきれないコマ)は0で、問題なく処理ができていた。 また、サイバーパンク2077自体もレイトレ等を利用した1920x1080にも関わらず平均162fpsを出しており、プレイ上の問題はまったくなさそうだ。
温度とパフォーマンス
CPU温度と動作クロック
Cinebench r23の10分ストレステストでCPU温度と動作クロックを確認した。
テスト中の温度は最大で75℃となっていた。
クロックについては4.9GHzほどで動作していた。
CPUクーラーのカスタマイズはなくてももちろん動くが、長時間CPU負荷が高いゲームをする場合は、簡易水冷にアップグレードするのもありだと思う。
GPU温度と動作クロック
サイバーパンク2077にて、RTX 5070を限界域で動かした際のGPU温度とクロックを測定した。
温度は最大84℃に至る瞬間があったが、平均としては80℃程度だった。
動作クロックは平均2.8GHzを超えていた。RTX 5070のリファレンスモデルのブーストクロックは2512MHzなので、搭載GPUがOCモデルであることがわかる。
消費電力
ワットチェッカーを用いて、PC全体の消費電力を測定した。
アイドル |
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Cinebench r23(ピーク値) |
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サイバーパンク2077 |
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グラフィックボードがどこまで全開になるかで変わってくるが、サイバーパンク2077でGPUとCPUをかなり高い次元で使おうとすると385Wほどであった。750Wの標準の電源でちょうどいいくらいだと思う。
動作音
ケース横50cmの位置で、デジタル騒音計で動作音を測定した。
電源オフ |
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アイドル |
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サイバーパンク2077 |
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CPUベンチ |
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動作音レベルの目安:40dbA = 静かな住宅地、小鳥の鳴き声, 50dbA= 静かな事務所,エアコン室外機, 60dbA=人の話し声
超高負荷ゲーム中の動作音はやや大きめで、デスクの上にPCを置いてゲームをする場合はヘッドフォン着用かなという感じ。
搭載されるケースファンは120mmと比較的大径なこともあり、小径高速ファンによって雨音のような高音がするゲーミングノートPCよりは音の高さが低く、耳障りな音域ではない。
もちろん、FanCtrlやMSI Afterburnerなどのフリーソフトを使って各部のファン回転数を下げ方向で調整すれば、多少のパフォーマンスダウンと引き換えに静音化もできるだろう。たった数%のファン回転数の差で快適になる…といったことは、PCにはよくある。
まとめ:デザインとコスパを両立
良いところ
- 最新の超重量級ゲームも高いグラフィック設定で動かせる (解像度はWQHDまでが目安、ゲームによっては4Kも)
- シンプルで洗練されたデザイン
- カスタムでLED化が可能
- ミドルタワーよりひと回り小さく、デスク上に置きやすい
- 意外と多いストレージ設置箇所(2.5インチ/3.5インチで合計5箇所)
- ちゃんと安い (同CPU&GPUのGALLERIA比)
惜しいところ
- USBポートが最低限
- PBO非対応のA620マザーボード
- 全開時の動作音はやや大きい
- 注文時の2.5インチ/3.5インチストレージ追加は1台まで
感想
「価格は抑えつつ、高い性能を確保したい」というサードウェーブらしい方向性を実現している一台だ。
2025年の最新重量級ゲームもしっかり遊べ、録画したり配信もできるスペックとしては、十分コスパの良い部類に入る。
ケースはデザインにクセがないので誰にでもすすめやすい。エアコンなどの白物家電を思わせる雰囲気で部屋を選ばない。
サイドパネルがガラスなので、電源を入れた時にファンがちゃんと動いているかなどがケースの外からわかる。
各部のファンをLEDにアップグレードして注文すれば、通電や動作がよりわかりやすくなるし、見た目の楽しさも上がる。

別モデルによるLEDカスタムのイメージ
スペック面では、RTX 5070とRyzen 7 7700の組み合わせは予想していたよりバランスが良い結果となり、多くのゲームでGPUをしっかり使えることがわかった。ゲーミング向けのCPUというと9800X3Dや7800X3Dが代表的だが、高性能なだけにかなり値段が上がってしまう。その点で7700は「そこまで突き詰めず、価格を抑えたい人」にとってコスパの良い構成となるはずだ。RTX 5070も12GBのVRAMを搭載しており、高画質ゲームにも十分対応できる。
お得情報:3000円引きクーポン
期間
2025年6月30日(月)23:59まで
ドスパラでは、新品のRyzen搭載デスクトップPCの購入時に、以下のクーポン適用で3000円オフのキャンペーンが行われている。
もちろん当機も対象だ。
IROASRYZEN
記事の内容は執筆、更新日時時点の情報であり、現在は異なっている場合があります。 記載されている会社名・製品名・システム名などは、各社の商標、または登録商標です。
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