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Cities: Skylines IIの必要スペック:13万人都市でCPUによる動作の違いが明らかに

      2023/11/05

Paradox InteractiveによるCities: Skylines IIは、街づくりシミュレーションゲームだ。

街づくりシムのあるあるとして、街が大規模になればなるほどフレームレートが落ちる問題がある。

シミュレーションが回る速度が遅くなり、街が発展しにくくなっていくのだ。

これは正直、仕方がない。真面目に計算するほどこの問題とぶつかることになる。

そして、その場合大事なのはCPUだ。

今回はCore i7-13700FとRyzen 7 7800X3Dで動作を比較してみよう。

「パフォーマンス設定」オプション

最初にCities: Skylines IIのゲームオプションを確認していく。

設定の「一般」項目内に「パフォーマンス設定」がある。

ここではCPUが高負荷になった時に、何を優先するかを予め決めておくことができる。

  • フレームレート
  • バランス
  • シミュレーションスピード

今回のテストでは「シミュレーションスピード」を選んでいる。

フレームレート重視はなんとなく計算が端折られそうな気がしたためだ。

「ダイナミック解像度のスケールクオリティ」

いわゆるアップスケールの設定だ。

「アップサンプリングフィルタ(アップスケール手法)」には次のものが用意されている。

  • Catmull-Rom
  • Contrast Adaptive Sharpen
  • AMD FidelityFX Super Resolution 1.0 (FSR1)

Catmull-Romは絵がボケた感じで、Contrast Adaptive Sharpenはジャギが気になる。

個人的にはFSR1が最も美しく感じたため、以降のテストでダイナミック解像度のスケールクオリティを使う時にはFSR1を使用することにした。

13万人都市での重さを比較

13万人まで育った都市で、動作テストを行った。

設定の基本的なルールは以下の通り。

  1. 一般 > パフォーマンス設定を「シミュレーションスピード」に設定
  2. グラフィック > 上級 でテスト解像度に設定(1920x1080,2560x1440,3840x2160)
  3. 画面モードを「フルスクリーン」に設定
  4. グローバルグラフィッククオリティをテストごとに設定(「最低」や「高」など)
  5. テスト解像度ごとに以下のように設定
    ・FHDのテスト時:ダイナミック解像度のスケールクオリティを「無効」に
    ・WQHD以上のテスト時:ダイナミック解像度のスケールクオリティを「一定」、アダプティブダイナミック解像度スケールを「チェックオフ」、アップサンプリングフィルタを「FSR1.0」に、最低解像度パーセンテージスケールを「50%」に設定
  6. 自作の13万人都市セーブデータをロードし、同じ視点のままゲーム内8:00~9:00を最高ゲーム速度で測定

アダプティブダイナミック解像度スケールは、フレームレートが下がった時にダイナミック解像度スケールをオンにする(内部解像度を変える)機能だが、個人的にはプレイ中に精細さが変わることに違和感があるので、オフでテストをした。

また、「3」キーを押しての最高ゲーム速度で測定している。通常速度(1キー)よりフレームレートが下がる。

テスト用のRTX 4070 Ti搭載PC 2機種について

テスト用のPCとして、RTX 4070 Tiを搭載したGALLERIAを2台、株式会社サードウェーブよりお借りした。

RTX 4070 Tiにした理由は、RTX 40シリーズの中でもユーザー評価が高いためだ。

RTX 40シリーズの中で3番手の性能であり、それなりの価格のマシンでもある。

これで動かなかったら、もうゲームが悪いとしか言いようがない。

基本的に出荷時設定でのテストであり、電力設定などの手入れはしていない。

GALLERIA X7C-R47T: i7-13700F & RTX 4070 Ti

CPU:i7-13700F
GPU:RTX 4070 Ti 12GB
メモリ:16GB DDR4
ストレージ:1TB(Gen3) NVMe SSD

まずは、i7-13700Fを空冷で動かすGALLERIA XA7C-R47T。コスパ重視のRTX 4070 Ti機としてユーザー評価が高い機種だ。ベースパワー(PL1)が65Wという省エネモデルであるため、CPU的な限界はそこそこ。

120mmサイドフロークーラー。65W運用ならこれで十分。

GALLERIA X7C-R47T: Ryzen 7 7800X3D & RTX 4070 Ti

CPU:Ryzen 7 7800X3D
GPU:RTX 4070 Ti 12GB
メモリ:16GB DDR4
ストレージ:1TB(Gen3) NVMe SSD

もう一台は、ゲーム用のCPUとして高い能力を持つRyzen 7800X3Dを搭載するGALLERIA XA7R-R47Tである。CPUクーラーにはASETEK製240mm簡易水冷を搭載している。

DeepCool製のクーラーファンを採用。なお、ヘッド、ファンともにLEDはオミットされているモデル。

 

テスト時のカメラとしては、以下のように街を俯瞰で見下ろす形で固定した。

(C) 2023 Paradox Interactive AB. All trademarks are the property of their respective owners.

高設定の平均フレームレート

グローバルグラフィッククオリティ「高」では、FHDでもRTX 4070 Tiのパワー的に限界で、どちらも30fpsも出なかった。

こりゃびっくりだよね。

FHD(1920x1080)

XA7R-R47T(7800X3D)
25fps
XA7C-R47T(13700F)
23fps
XA7C-R47T(13700F,HTTオフ)
25fps

 

WQHD(2560x1440) / FSR 解像度50%

XA7R-R47T(7800X3D)
28fps
XA7C-R47T(13700F)
22fps
XA7C-R47T(13700F,HTTオフ)
24fps

 

4K(3840x2160) / FSR 解像度50%

XA7R-R47T(7800X3D)
20fps
XA7C-R47T(13700F)
18fps
XA7C-R47T(13700F,HTTオフ)
19fps

中設定の平均フレームレート

グローバルグラフィッククオリティを「中」に下げると、RTX 4070 Tiも少し負荷が下がってくる。

それに伴い、CPUの性能差が現れ始める。

FHD(1920x1080)

XA7R-R47T(7800X3D)
38fps
XA7C-R47T(13700F)
27fps
XA7C-R47T(13700F,HTTオフ)
28fps

 

WQHD(2560x1440) / FSR 解像度50%

XA7R-R47T(7800X3D)
30fps
XA7C-R47T(13700F)
25fps
XA7C-R47T(13700F,HTTオフ)
25fps

 

4K(3840x2160) / FSR 解像度50%

XA7R-R47T(7800X3D)
26fps
XA7C-R47T(13700F)
23fps
XA7C-R47T(13700F,HTTオフ)
23fps

 

最低設定の平均フレームレート

最低設定のFHDでは7800X3Dが2倍近く高いフレームレートを出した。

このレベルになると明らかに「あ、違うな」とプレイフィールとしても感じられる。

FHD(1920x1080)

XA7R-R47T(7800X3D)
73fps
XA7C-R47T(13700F)
38fps
XA7C-R47T(13700F,HTTオフ)
42fps

 

WQHD(2560x1440) / FSR 解像度50%

XA7R-R47T(7800X3D)
65fps
XA7C-R47T(13700F)
35fps
XA7C-R47T(13700F,HTTオフ)
38fps

 

4K(3840x2160) / FSR 解像度50%

XA7R-R47T(7800X3D)
53fps
XA7C-R47T(13700F)
31fps
XA7C-R47T(13700F,HTTオフ)
34fps

 

まとめ:CPUを盛ろう。あとはアプデ待ち

現状では、RTX 4070 Tiではミドル設定をベースに、負荷になりそうなものを調整しながら遊ぶと良さそうだった。おすすめ解像度は1920x1080である。WQHD以上ならFSRを入れる。

そして、シミュレーション系タイトルはCPUで計算してナンボのゲーム。

CPUがとにかくボトルネックになりやすいことが今回のテストでも証明された形だ。

CPU:Ryzen 7 7800X3D
GPU:RTX 4070 Ti 12GB
メモリ:16GB DDR4
ストレージ:1TB(Gen3) NVMe SSD

7800X3Dは価格なりに突き放した結果を出し、大都市になっても快適に遊べる可能性を見せた。もうちょっと安いといいんだけどね。

 

CPU:i7-13700F
GPU:RTX 4070 Ti 12GB
メモリ:16GB DDR4
ストレージ:1TB(Gen3) NVMe SSD

普及価格帯のBTO機に積まれるi7-13700Fは、65Wでの動作を念頭に設計されている。ほかのゲームでは十分なパワーを得られるが、Cities 2では「CPUパワーが足りていないな~」と感じる結果になった。HTT(ハイパースレッディング)をオフにした場合にフレームレートが上がる余地があったためそちらもテスト結果に入れている。実際2~3fpsくらいは上がることが多かったが、体感できる差ではない。

 

最後に簡単なゲームレビューなんだけど、前作の痒い所に手が届く設計になっていて、ゲームデザインはちゃんと「2」になった感じがしている。

まずは、お手軽さのアップ。道路に上下水道の配管が埋め込まれるので水道管をひかなくてよい。

作りこんだ町を撮影できるフォトモードなど、ジオラマ的な楽しみ方の方にも力を入れている。

「めちゃめちゃ量がある都市を描いてみたら重かった」という点では、Microsoft Flight Simulatorが初めて出た時の印象に近い。

あちらも当初はDX11で30fps出れば御の字、みたいな感じだったが、現在はDX12やDLSS3に対応したことで、まともなフレームレートが出るようになった。

Cities: Skylines IIも今後のアップデートでパフォーマンスが上がっていくことを期待したい。

 


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