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【AC6】ARMORED CORE VIに必要なPCスペックは、ゲームへの愛と予算次第

      2023/08/30

PC版(Steam)の「ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON」が発売となった。実際にいくつかのPC環境でテストを行ってみたが、2023年発売タイトルとしてはかなり軽く仕上げられている。

Steam版の「ARMORED CORE VI(AC6)」の必要スペック

必要動作環境 推奨動作環境
OS Windows®10 Windows®11/10
CPU Intel Core i7-4790K
Intel Core i5-8400
AMD Ryzen 7 1800X
AMD Ryzen 5 2600
Intel Core i7-7700
Intel Core i5-10400
AMD Ryzen 7 2700X
AMD Ryzen 5 3600
MEMORY 12GB RAM
GPU NVIDIA GeForce GTX 1650, 4GB
AMD Radeon RX 480, 4GB
NVIDIA GeForce GTX 1060, 6GB
AMD Radeon RX 590, 8GB
Intel Arc A750, 8GB

GPU(レイトレーシング設定時)

レイトレーシング設定は
「ガレージ」内でのみ適用されます。

NVIDIA GeForce RTX 2060, 6GB
AMD Radeon RX 6600, 8GB
NVIDIA GeForce RTX 2070, 8GB
AMD Radeon RX 6650 XT, 8GB
Intel Arc A770, 16GB
DirectX® DirectX® 12 (FEATURE LEVEL 12.0)
ハードディスク容量 60GB以上
サウンドカード Windows互換オーディオデバイス

https://www.armoredcore.net/article/operatingenvironment.html

レイトレーシング設定用にスペックが分けられているので、ここから解説していきたい。

レイトレーシングは、光と影の効果をリアルに演出するオプション機能で、高いグラフィック性能が求められる。

ARMORED CORE VI(以下AC6)においては、レイトレーシングはガレージ画面でのみ有効になる。ガレージ画面はいわゆる「ホーム画面」のようなものなのだが、ここではフォトモードを起動して好きな角度から自機のスクリーンショットが撮れる。この点でよりリアルな陰影を持つACを撮影したい場合には、レイトレーシングをオンにしたい。ガレージ画面では自機を動かしたりする訳ではないので、そこまでフレームレートが出なくても問題はない。

公式によればレイトレーシングを利用する場合、必要動作環境でRTX 2060、推奨動作環境でRTX 2070が推奨になるという。レイトレーシングを使用しない場合、推奨動作環境でもグラフィックボードはGTX 1060で間に合うとのことだ。

実際にレイトレーシング最高設定を行うと、ガレージ画面の動作はゲームプレイ時と同じかそれ以上に重めのフレームレートとなる。

このため、レイトレ最高設定のガレージでのフレームレートを簡易ベンチマークにするのはアリだと考えている。

手動ベンチマークとレイトレガレージ画面のフレームレート

ゲームプレイにおいて重さを感じるのは、オブジェクトの多さのほか、霧や煙、爆発、水面などのエフェクトが多いシチュエーションだ。

そこで、テストでは煙や炎、水面などがオブジェクトとして設置されているミッション「移設型砲台破壊」の序盤で、ザコ戦闘を含めてなるべく一定の動きを行った。比較的重めの場所の切り取りとなる。

筆者はとりあえずAC6を2周クリアまでプレイしたが、格段に重くて不快に感じるようなシチュエーションはほぼなかった。(瞬間的なエフェクトの重さはどんなゲームでもどうしてもある) 少なくとも、序盤ミッションの「移設型砲台破壊」がスムーズに動けば、その後も問題なく動くだろう。

基本設定

・フルスクリーン
・フレームレート上限:120
・垂直同期:OFF
・HDR:OFF
・映像品質:最高
・自動描画調整:OFF
・映像品質(詳細) > レイトレーシング品質:最高

平均フレームレートの比較

i5-13400F & RTX 4060 (GALLERIA RM5C-R46を利用)

ガレージ(RT最高設定) ミッション(最高設定)
1920x1080 98fps 96fps
2560x1440 67fps 76fps
3840x2160 35fps 43fps

 

i9-13900KF & RTX 2080 Ti

ガレージ(RT最高設定) ミッション(最高設定)
1920x1080 110fps 116fps
2560x1440 82fps 92fps
3840x2160 47fps 56fps

Ryzen 9 5900X & RTX 3070 Ti

ガレージ(RT最高設定) ミッション(最高設定)
1920x1080 120fps 109fps
2560x1440 90fps 101fps
3840x2160 52fps 63fps

 

i7-13700F & RTX 4070 Ti (GALLERIA XA7C-R47Tを利用)

ガレージ(RT最高設定) ミッション(最高設定)
1920x1080 120fps 112fps
2560x1440 120fps 111fps
3840x2160 70fps 79fps

PCゲームとして画質を追求することを考える場合は?

AC6は、2023年のタイトルとしては軽めに仕上げてきていることが予想されるが、せっかくPCでプレイするなら良い環境を整えたいという場合もあるだろう。

PC版において気になるポイントは以下の通り。

120fpsへの対応

オプションでは30、60、90、120fpsから上限フレームレートを選択できる。

当然、120fpsを高画質で維持し続けるには高いスペックが必要になることは間違いない。逆に軽量なグラフィック設定にすれば、そこまでパワーがないマシンでも120fpsに到達しやすいだろう。さらに、MODDERによって120fps以上のフレームレートが解除されることも予想に難しくない。

なお、海外公式サイトによると、PS5では60fps、PS4/Proでは30fpsのゲームプレイが上限となるようだ。

実際、60fpsと120fpsは体感がかなり違う。もしフレームレートが十分出ていない場合は、画質設定を下げてでもなるべく高いフレームレートを維持したほうが操作が快適になるだろう。

また、高いフレームレートはそれだけCPUの性能も求める。i9-13900KFでも、120fps設定では1920x1080のプレイで特定のシングルスレッドが80%くらいを指すなど高い負荷を感じた。画質設定を下げてもCPU負荷が下がるわけではないので、フレームレートを重視する場合にはCPUも強力なものが良いだろう。

執筆時点ではDLSSやFSRに未対応

AC6は4K解像度でもプレイできるタイトルだ。PS5などは動的なアップスケールを行うことで4K出力を実現するが、PC版ではグラフィックボードのパワーさえあれば、高精細な真の4Kを実現できる点が魅力だ。

しかしながら、執筆時点では、AC6はDLSSやFSRといった超解像度技術には対応していないため、4Kのような高解像度でのゲームプレイは「GPUパワー頼み」となる。

ウルトラワイドモニタへの対応

ゲームプレイにおいて4Kよりも価値を感じるのが21:9、32:9などのウルトラワイドモニタだ。21:9でプレイしてみたところ、やはり見える範囲が広がるのでゲーム的にもやや有利だと感じた。また、何よりも眼前いっぱいにゲーム映像が広がるので迫力がある。HUDは16:9同様に画面中央に表示されるので、視認性が落ちることもない。

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MODによる高画質化、更なる高速化など

PCゲームの常として、とりあえずすぐに行われるのがReShadeによる高画質化である。こういったMODは非公式なものであるが、PCゲームならではの楽しみ方のひとつだ。そういう方面に興味がある場合は、GPU性能に可能な限り余裕を持ちたい。MODDERがゲーム中のレイトレが使用できるように改変してゲームプレイを高画質化することも予想される。メカアクションとして、金属の反射や光の表現をリッチにしたいという要求は当然あるだろう。

AC6に対応できるPCスペックは?

2023年のトレンドを見据えたスペックのPCを、人気のゲーミングPCブランド「GALLERIA」より紹介する。GALLERIAの販売サイトであるドスパラは出荷が早いのが特徴で、とにかく早くPCを手に入れたいにも向いている。

以下のPCについてはGTX 1060以上という必要動作環境を満たすものだが、どの程度で満足できるかは人それぞれだ。「とにかく安く、遊べればそこまで画質に拘らない」ということであればリストの上の方でいいし、「AC6に限らずさまざまなPCゲームを高画質で快適に楽しみたい」という人は、なるべくリストの下の方を選ぶと良い。

なお、性能の目安として、ドスパラによるグラフィックボード性能のスコアをGTX 1660 SUPERを基準に併記する。マシンによってかなり性能が違うということが感じられるだろう。

GTX 1660 SUPER【1920x1080】

CPU:Ryzen 5 4500
GPU:GTX 1660 SUPER 6GB
メモリ:16GB DDR4
ストレージ:1TB NVMe SSD

グラフィックボードスコア

GTX 1660 SUPER 6GB
1741

公式が推奨するGTX 1060より少し良いくらいのスペックがGTX 1660 SUPERだ。執筆現在10万円台クラスのPCとして、初めてPCを手に取る人にも選びやすい一台だ。ただ、このクラスはPS5よりグラフィック性能が劣ってしまうし、レイトレも厳しい。PCを学びつつゲームもしたいなど、ゲーミングPCならではの目的がある入門者に向いている。

RTX 4060【1920x1080~2560x1440】

CPU:i5-13400F
GPU:RTX 4060 8GB
メモリ:16GB DDR4
ストレージ:1TB(Gen3) NVMe SSD

グラフィックボードスコア

RTX 4060 8GB
2734
GTX 1660 SUPER 6GB
1741

RTX 4060は2023年の最新エントリースペックで、レイトレにも対応してくるグレードだ。推奨スペックはもちろん満たしているので、「AC6を普通にプレイする」という点で不足はない。

今回、GALLERIAを製造する株式会社サードウェーブにGALLERIA RM5C-R46をお借りして、実際にAC6を一周クリアしてみた。フルHD(1920x1080)なら最高画質設定で100fps以上出るシーンが多く、フルHDベースの21:9(2560x1080)でのプレイも十分快適に行えた。さすがに4Kにおいては戦闘は30fps台になってしまうものの、4K+レイトレでのガレージスクリーンショットなどは十分楽しめた。

フレームレートの目安

ガレージ(RT最高設定) ミッション(最高設定)
1920x1080 98fps 96fps
2560x1440 67fps 76fps
3840x2160 35fps 43fps

 

RTX 4070【1920x1080~2560x1440】

CPU:i5-13400F
GPU:RTX 4070 12GB
メモリ:16GB DDR4
ストレージ:1TB(Gen3) NVMe SSD

グラフィックボードスコア

RTX 4070 12GB
3514
GTX 1660 SUPER 6GB
1741

RTX 4070は1440p(WQHD/ 2560x1440)くらいまでのゲームプレイを視野に入れて開発されたグラフィックボードだ。コスパ重視派の、おすすめグレードの一つである。もう何年も前から20万のPCは売れ筋のミドルスペックなのだが、円安進行のここ数年ではPCも値上がりがち。それでも20万程度で買えると嬉しいので、Core i5搭載モデルを選んだ。

RTX 4070 Ti【1920x1080~3840x2160】

CPU:i7-13700F
GPU:RTX 4070 Ti 12GB
メモリ:16GB DDR4
ストレージ:1TB(Gen3) NVMe SSD

グラフィックボードスコア

RTX 4070 Ti 12GB
4311
GTX 1660 SUPER 6GB
1741

RTX 4070 Tiは、価格と性能のバランスが良いと感じている。ユーザー評価も高く「妥協しなくて良かった」と言われるほど。RTX 4070と同様にVRAMは12GBで、1440p(WQHD/ 2560x1440)くらいまでがメイン用途であるが、よりGPUパワーがあるのでフレームレートも安定するだろう。CPUはi7-13700Fを搭載しており、2023年スペックとして不足はない。

こちらの機種についても、製品実機で動作確認を行った。AC6においては、最高画質設定で、2560x1440までなら120fps設定が活かせ、4Kでも60fpsオーバーを出せるグレードになると言える。

フレームレートの目安

ガレージ(RT最高設定) ミッション(最高設定)
1920x1080 120fps 112fps
2560x1440 120fps 111fps
3840x2160 70fps 79fps

 

RTX 4080【1920x1080~3840x2160】

CPU:i9-13900KF
GPU:RTX 4080 16GB
メモリ:16GB DDR5
ストレージ:1TB(Gen4) NVMe SSD

グラフィックボードスコア

RTX 4080 16GB
4779
GTX 1660 SUPER 6GB
1741

RTX 4080はVRAM 16GBを搭載し、ネイティブ4Kで常用する場合に推奨したいモデルだ。おそらくはRTX 4070 Tiで4Kも問題なくプレイできると予想するが、RTX 4080ならMODを入れつつ4Kといった用途にも向く。

RTX 4090【1920x1080~3840x2160】

CPU:i9-13900KF
GPU:RTX 4090 24GB
メモリ:32GB
ストレージ:1TB(Gen4) NVMe SSD

グラフィックボードスコア

RTX 4090 24GB
5350
GTX 1660 SUPER 6GB
1741

4K120Hzモニタで、高画質のまま楽しむためのハイエンドマシン。MODDERが「どこでもレイトレ」を実現させつつ、4K解像度でそれをプレイしたくなる場合にこのグレードの優位性が出てくるだろう。

AC6の後にリリースされるStarfield(こちらもDLSSなしらしい)をネイティブ4Kで遊ぶとか、画像生成AIを爆速で利用するとか、PCで様々なことに挑戦したい人向けの最高グレードのマシンとなる。

 


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