2023年上半期にプレイしたPCゲームや、最近の必要PCスペックの考察
あっという間に2023年も折返し。そこで、今年上半期におっさんゲーマーがプレイしたゲームタイトルを振り返ってみようと思った。
また、色々なPCをお借りしてレビューもしているので、PCスペック的な話もしていく。
Contents
黒い砂漠
基本無料のMMORPG「黒い砂漠」は、6月14日に新地域として「朝の国」が実装された。
当アップデートについては、各種メディアなどのレビューをまとめている海外大手サイトMetacriticにて81点をマークという、上々のスタートを切っている。
これまでの黒い砂漠にないアジアンな雰囲気と、雑魚狩りではない「ボス狩り」のコンテンツが新鮮に楽しめるポイントと言えるだろう。
個人的にはオープンワールドタイプのMMORPGで、「遠い海の向こうにある異国」という点が上手く演出できていると思っている。
2015年のサービス開始から積み上げられた膨大なコンテンツと、継続的に行われている利便性アップデートもあり、初心者が遊びいやすい環境を整えることをとにかく優先しているのは良いことだ。
ソロプレイヤーにやさしいMMORPGで、いつプレイしても「昨日の続き」から遊んでいるような感覚を覚える。課金アイテムにもガチャはなく、欲しいものをちゃんと買えるようにしている点も良心的。
1タイトルにどっぷりと浸かって、いろいろなコンテンツを極めたいという人におすすめのゲームだ。
また、黒い砂漠推奨PCがG-Tuneから登場したのもちょっとしたニュース。RTX 3060 Ti / RTX 4070 Ti / RTX 4080搭載の3機種がラインナップしている。
ホグワーツ・レガシー
ハリー・ポッターの世界観を楽しめるホグワーツ・レガシー。私はハリポタ未履修で、どちらかといえば魔法より火薬の方が好きなのだが、それにもかかわらず楽しめた。
序盤の楽しさとしては、ホグワーツ(魔法学校)の散策がある。ホグワーツは城なのだが、内部が非常に作り込まれていて情報密度が高く、アートとしても楽しめることが大きい。そして各所に隠し要素なども点在している。これによって、ホグワーツ内を観光するだけでも楽しめそうな独特の世界観を持っていた。また、ワーナーブラザーズらしいリッチなBGMは、ゲームと言うより映画的なつくりを感じさせてくれる。リップシンクもよくできている。
ゲームとしては思ったより「タイミングアクションゲーム」だった。魔法の種類は色々あって、「浮かせてふっとばす」といったコンボ的な要素もあるのだけど、いかんせん魔法を出すキーが足りていない。プリセットもないので魔法を一つずつ入れ替えないといけなかったりと、やや不便な点は残念。
PC版においては、レイトレなどを利用した場合、DLSS3を利用しても動作が重いタイトルだった。しかし、最近は最適化も進んだので快適に遊べるようになってきた。VRAMのメモリリークによるクラッシュが報告されていたが、2023/6/2のパッチではそれが修正されたらしい。
しかしながら、VRAM8GB搭載のRTX 4060 Tiマシンでは最高設定4K時にVRAM不足で起動しなかったりしたので、やはりスペックに合わせての調整は必要だ。
キャラについては美化MODを楽しめるのもPC版ならでは。
EA SPORTS FIFA 23
EAによるサッカーゲームの金字塔。しかし、FIFAの名を冠するタイトルは大人の都合でこれが最後になるらしい。
2022年のFIFAワールドカップでは、日本代表が決勝トーナメントに進出するも残念ながら敗退してしまった。
本作ではそこを日本代表としてやり直せる。サッカーの世界に歴史的な"IF"を巻き起こそう。
Jリーグのクラブチームは登場しなくなってしまったが、女子サッカーチームなども選べるようになっていたりする。
PC版ではチームデータを編集することで、「マンUに所属する女子選手として男子リーグを戦い抜くシミュレーション」といった、ゲームならではの遊び方もできた。
また、FIFA23のPC版は現代的なアンチチートが強力なので、その勉強になった。
Windows11においてはセキュアブートをオンにしていないと起動しなかったり、EAの最新のアンチチートシステムでトラブって起動しなかったりと、起動が最も難しいゲームなのでは?と思うほど。
SQUARE ENIX AI Tech Preview: THE PORTOPIA SERIAL MURDER CASE
2022年後半あたりからStable Diffusion、ChatGPTなど、一般の人でもジェネレーティブAIに触れられる機会が増えてきた。AIの波はゲーム業界にも確実に影響を与えている。
SQUARE ENIXは、AIによる自然言語処理を体験できるプログラムを無料で公開した。かつての名作推理ADV「ポートピア連続殺人事件」を題材にしている。
このプログラムでは、プレイヤーは相棒のヤスとともに事件を捜査していくのだが、「どこに行く」とか「何を調べる」といった行動はすべてテキストで入力することになる。
例えば「●●へ行こう」「●●に行く」「●●に向かう」といったように指示するわけだが、通常のプログラムにとっては別の値として受け取られてしまうのが従来のゲームの難点だった。
プログラムに事前に入力された正解の言い回ししか、話として通用しなかったのである。
その点、本作ではAIによってプレイヤーの自然な言い回しを理解し、「●●に行きたい」ということをゲームが理解してくれるようになったことを体験できる。
また、それらを音声入力で試せるシステムも内蔵している。音声処理の最高レベルではVRAM16GBが必要とされるなど、かなりスペックを要求する点は驚きだった。
ゲームというよりは「技術デモ」なので、根幹のシステムは「ポートピア」から洗練されておらず、想定外のことには「え?」と返してしまうといった点は仕方のないところだ。
ChatGPTとの会話のような高い完成度を期待したプレイヤーからは低評価になってしまったが、個人的には価値ある体験だったので紹介しておこうと思った。
サイバーパンク2077
技術デモと言えば、サイバーパンク2077もそれに近い。NVIDIAのデモンストレーションゲームとして重用されているためだ。
2023年には「パストレーシング」という「より完璧なレイトレ」の設定が実装された。事実上GeForce RTX 40シリーズ専用の激重描画モードなので、RTX 40シリーズを利用している人は是非試してみてほしい。ゲームにおいて最先端の、動的な光源処理がどのくらいできるのかを体験できる。
今年はDLC「仮初めの自由」も登場する予定だ。PC版では様々なMODが利用でき、例えばゲーム内のモノレールに乗れるMODなど、公式のパッチかと思うようなものも登場している。
BLUE PROTOCOL
国産のアニメチックなオンラインゲーム。以前、4Gamerにてネットワークテストのプレイレポ記事を書かせていただいた。
ブルプロはジャンルとしてはMMORPGではなく、「オンラインアクションRPG」となっている。プレイしてみるとその名の通り、アクション色が強い作品であることが感じられる。
それでも「MMORPG」と多くの人に認知されているのは、クエスト消化などのゲームデザインがMMORPG的なことや、街中では実質200人集まれるので、MMOとして感じられる部分もあるためだろう。ほかのプレイヤーと手をつなぐエモートなど、コミュニケーション面に力を入れている点もMMO的だ。
動作的にはCPUとGPU双方にそれなりの負荷がかかる。ネットワークテストの最終日に多くのプレイヤーがアステルリーズに集まった際には、i9-13900KF & RTX 4090でも、4Kかつ最高設定では30fps程度となったが、安定して動作していた。
崩壊:スターレイル
崩壊:スターレイルは、原神でおなじみのmiHoYoが開発したRPGで、モバイルでもリリースされている。原神のアクション要素とオープンワールドをやめて、ターン制RPGにしたような印象を受けた。
原神ではスマホ画面をタッチしてのアクションにやや難しさを感じることがあったが、スターレイルは戦闘操作にリアルタイム性が求められないので、モバイルでもPCでも遊びやすい。
また、オープンワールドにせず、アクション要素を含む移動がなくなった点も、モバイルフレンドリーだといえる。
PC版においてはそこそこの重さがあるタイトルだ。60fps上限のタイトルだが、「最高画質」設定において、4Kで快適に遊ぶにはRTX 3070くらいは欲しい。
Diablo IV
「ハック&スラッシュ」の最も有名なタイトルがDiabloシリーズだ。物語を楽しむよりはアイテム収集を楽しむゲームである。
私はDiabloシリーズについては2しか触ったことがないが、Diablo2で初めて「PCゲーム」に触れたような気がしたのを覚えている。その後、Diabloに影響を受けたPath of Exile(PoE)が登場し、そちらはメインストーリークリア程度までは遊んだ。
Diablo IVでは、キャラクターが覚えていくスキルは「クラス依存」となっていて、ある程度の筋がある。PoEの場合は、装備にはめるジェムでスキルを決めていくものだったため、結構根本のシステムが違うと感じた。
PoEと違ってMPポーションがないようで、今のところ、通常攻撃をはさみつつMP管理をするゲームになっている。この点で、スキル連発の力押しができたPoEよりは、ちょっと頭を使う。
今ハマっているクラスは「ネクロマンサー」だ。召喚でスケルトンをわらわら引き連れることができ、彼らが勝手に倒してくれるので雑魚戦は特に楽である。
日本語の吹き替えがちゃんとしているので、ストーリーも頭に入ってくる。ただ、世界観的に地獄絵図でめちゃくちゃ暗くて暴力的なため、JRPGのノリでは全く奨められない大人向けの作品ではある。
ゲームプレイとしては画質にこだわっているだけあって、4Kプレイ向けに高解像度アセットも選択できる。その場合、最低32GBのメモリがインストールされている必要があるとされており、2023年PCの必要スペックが底上げされたことを感じた。
Fallout 4
2015年に発売されたBethesdaのFallout 4は、同社のSKYRIMと並んで「MODゲー」として有名である。
SKYRIMが剣と魔法のファンタジーなら、Fallout4はそれを核戦争後のポストアポカリプス世界にしたFPS/TPS的なRPGだ。
シングルプレイタイトルであるため開発も終了しており、近年は特にアップデートがあるわけではない。しかしながらMOD界隈は今も活発で、DLSS3に対応させるような動きまである。
私も試しにMODで理想の環境を作ってみたら、クライアントフォルダの容量が300GBを超え、VRAMも10GB以上を使うほどの重量級ゲームができあがってしまった。
Fallout4はファンタジックな銃器が多いのだが、MODでは実銃をモチーフにしたMODが多数公開されている。
本格的なFPSに劣らないガンシューティング体験を楽しめる上に、サバイバルRPG的要素もあるので、生半可なサバイバルFPS/TPSを食ってしまうくらいの充実度がある。
RPGとしてもストーリーが一本道ではなく、プレイヤーの選択によって世界や登場人物の行く末が変わる点が面白くて何度も遊べる。DLCもセットの「Fallout 4: Game of the Year Edition」は、コスパがかなり高い。
ただし、MOD入りで動かすのはかなり大変で、調べまくる必要がある。MODを入れない状態でも、ウェポンデブリ(Weapon Debris)をオフにしないと最近のGPUではCTDが頻発するのでそこだけは注意。
2023年におすすめできるゲーミングPCスペック
以上のゲーム体験や、日ごろ行っているゲーミングPCレビューの経験から、2023年におすすめできるゲーミングPCスペックを考えてみる。
- 【CPU】 6コア12スレッド以上(i5-13400Fなど)、あるいは8コア16スレッド以上(i7-13700Fなど)
- 【メモリ】 16GB できれば32GB
- 【GPU】 12GB以上のVRAMを搭載したもの (RTX 4070以上)
- 【SSD】 1TB以上。 ヘビーゲーマーは2TB以上
おすすめPC例
PC | CPU | メモリ | GPU (VRAM) |
SSD |
GALLERIA RM5C-R47 (予算20万くらいの方へ) |
i5-13400F | 16GB | RTX 4070 (12GB) |
1TB |
GALLERIA XA7C-R47 (CPUを強化) |
i7-13700F | 16GB | RTX 4070 (12GB) |
1TB |
GALLERIA XA7C-R47T (より高fps、4Kも視野に) |
i7-13700F | 16GB | RTX 4070 Ti (12GB) |
1TB |
GALLERIA XA7C-R48 (高画質4Kを実現) |
i7-13700F | 16GB | RTX 4080 (16GB) |
1TB |
raytrek 4CZZ (ぶっちぎりハイエンド) |
i9-13900KF | 32GB | RTX 4090 (24GB) |
1TB |
CPUについては、基本的には8コア16スレッドあれば十分で、6コア12スレッドでも足りる場合が多いと思う。Intelのゲーミング最高クラスのCPUであるi9-13900K/KFも、高性能コアは8コア16スレッドである。Eコアという高効率コアが追加されているおかげで、トータル24コアになっているわけだ。
上位CPUになると価格がグッと上がり、コスパは悪くなる。しかしながら、シングルスレッドパワーが上がるため、CPUの処理が最適化されていないDirectX11ベースのちょっとレトロなゲームでも、性能向上を感じやすい。高性能なGPUと合わせたときほど、高いフレームレートが出せることは間違いない。
メモリについては、16GBで間に合うことが多いが、32GBがおすすめだ。BTOでも、メモリは増設オプションがあるので注文時に32GBに増やしておくと良いだろう。後で自前で増設しようとした場合、相性などで動かないと自己責任になる場合がある。
Diablo IVのように32GBのメモリを用意しろ、というゲームも今後増えてくるかもしれない。64GBの必要性はまだ感じない。個人利用の上でメモリ64GBが必要だなと思ったのは、Unreal Engine 5のデモをフルスペックで楽しもうとした時と、大規模言語モデル(AI)を触ろうと思った時くらいだ。
グラフィックボードについては、VRAM12GB以上を奨めたい。最新タイトルを高画質でプレイしたり、MODモリモリ環境で遊ぶ予定ならそれくらい使う。
例えば、今後発売となる都市開発シミュレーションゲーム「Cities: Skylines II」は、グラフィックボードの推奨スペックがGeForce RTX 2080 Ti(VRAM11GB)、Radeon RX 6800 XT (16GB)となっている。
つまり、どちらもVRAMは2桁台となっており、より少ない方の2080 Tiをベースに考えれば、11GBくらいは積んでいてほしいと読み取れる。
それを満たし、GPU性能も十分にある最新のグラフィックボードは、RTX 4070になるだろう。
また、今回は取り上げていないが、「BIOHAZARD RE:4」も、高画質設定ではVRAM8GBでは起動せずにエラー落ちしてしまった。
もちろん、VRAM8GBのグラフィックボードでも、1920x1080などに最適化された「中」くらいの設定を使えば、各種ゲームは問題なく動作する。
ただ、「最高画質設定」においては、VRAM8GBで満足に動かせない時代になってきたことは事実だ。
SSDに関しては使い方によるが、最低でも1TBは必要だと思う。個人的にはトータル4TBのNVMe SSDを利用しているが、これでもやりたいゲームを全部入れておくといっぱいになる。SSDの容量が大量にあるだけで、あらゆるゲームを瞬時にプレイできるため、ゲーム体験がかなり変わってくる。特に、Xbox Game Passのような、定額制で様々なゲームを遊べるサービスを検討している場合、大容量のSSDを用意したい。
GPU:RTX 4070 12GB
メモリ:16GB DDR4
ストレージ:1TB(Gen3) NVMe SSD
というわけで、予算20万前後だとi5-13400FとRTX4070を搭載したGALLERIA RM5C-R47などはなかなかお値打ちだ。2560x1440くらいまでの解像度でプレイするのに向いている、少し小型のPCだ。
GPU:RTX 4070 Ti 12GB
メモリ:16GB DDR4
ストレージ:1TB(Gen3) NVMe SSD
CPU、GPUともにワンランクアップできそうなら、i7-13700F & RTX 4070 Ti搭載のGALLERIA XA7C-R47Tだ。RTX 4070 Tiも2560x1440ベースで考えた方がいいが、DLSS対応タイトルや、そこまで重くないタイトルなら3840x2160の4K解像度で十分プレイできる能力を持っている。
DLSS非対応タイトルの4Kプレイや、よりVRAMを使うタイトルだと、VRAM16GB搭載のRTX 4080やRTX 4090がおすすめになる。
GPU:RTX 4080 16GB
メモリ:16GB DDR4
ストレージ:1TB(Gen3) NVMe SSD
RTX 4080は、VRAM16GBを搭載する点も魅力。少し次世代の体験をしたいなら、RTX 4080搭載のGALLERIA XA7C-R48は4Kゲーミング以外でも価値がある。「AIポートピア」で使われたAI音声認識でもVRAM16GB以上を要求されたし、画像生成AIで高解像度画像を出したいといった用途にも向く。
最上級のRTX 4090になると、CPUをケチって能力を出せないのがもったいなく感じるので、より強力なi9-13900KFを搭載したraytrek 4CZZをおすすめしたい。2023年7月31日まで、支払いの画面でクーポンコード「retouch2302」を入力し、適用を押すと5000円がされる。
なお、GALLERIAやraytrekを販売するドスパラでは、7月31日まで夏の大感謝祭を行っており、Steamなどでも使えるドスパラポイントが還元される。PC購入を検討している方は是非チェックしてほしい。
記事の内容は執筆、更新日時時点の情報であり、現在は異なっている場合があります。 記載されている会社名・製品名・システム名などは、各社の商標、または登録商標です。
【今日のおすすめ】
【auひかり】最大10Gbpsの超高速通信!最大126,000円還元キャンペーンキャッシュバックで初期工事費も実質無料!